Neetel Inside ニートノベル
表紙

ゴチャマゼ
それぞれ

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「なあ。今回は見逃してもらうわけにはいかないか」
「無理ね。だって今回を逃したら上司から転勤させられるもの」
「そうでなくても~。あなたは~。色々と邪魔です~」
「大人しく・・・死ぬか逝くか殺されろ」
「君、殺したら駄目だって上司に言われなかったの?」
「いや僕なんかは殺しても亡骸さえあれば完全なコピーが作れるからむしろ運ぶ手間を考えて殺してもらったほうがいいんですよ実際」

「俺の意見無視ってわけかい。上等上等。じゃあ全力でエスケープさせてもらうわ」
「させないわ!COOL SHOT!!」
「精霊の力を借りて~。だぶるふぁいや~!」
「参の太刀・・・風祭ッ!!」
「念動―――――操り人形―――」
「我が教祖への信仰の力を見せてあげますよ一撃必殺信仰波動砲!!!」



「やれやれ・・・本気でもないってのか。甘く見られたもんだね・・・と!!!」








1「はじめ」



おはよう、こんにちは、こんばんは?
はじましての人ははじめまして。
お前さんがここに来た理由は何かな?
観光、仕事、学業、ハネムーン?
どれでもない?じゃああんたは俺と同じだ。おっと名前を言わなかったな。
俺は名乗るほどのものじゃあないが、あえていうならムナだ。無名でムナ。分かりやすくて言いづらい名前だろ?これでもけっこう気に入ってるんだぜ。
気軽にムナ様、ムナっち、ムーナンって呼んでくれ。・・・冗談だよ。変な顔するな。気軽にムナって呼んでくれ。
で、あんたはここにハネムーンベビーを作りに来たわけでも天才料理人として世界に挑みに来たわけでもないんだろ?
ここがどこか分からないなんて質問を、さっきからあんたは言っているよな。
だがそれに対する答えを期待しちゃあいけない。
俺が知っていてあんたに言えるのは、今いるこの場所が路地裏で、あんたは腹を空かせた2mの猫に喰われようとしていた。
そして俺がその猫を追い払って、今俺があんたの金を奪っている所だ。
ここまでは理解したか?理解してなくても置いていく。俺はスパルタ教師なのだからな。嘘だけど。
まあでもそんな俺でも、雀の涙ほどの愛情、友情は持っているのさ
この意味が分かる?分からなくてもすぐに教えてやるよ。
ああ俺は本当に甘い教師だな。嘘だけど。
そういうわけで、この大量の殺人自動機械に囲まれた状況でも、あんたが出来ることはたくさんある。
犬の服従のポーズ、土下座、逃げ惑う、あきらめてその場に倒れこむ。
でも残念、結果は全部死亡。
肉の一欠けらでも残れば上々。そのあと食人家か半獣の店のメニューになるだろうがな。
まあ、生き残る方法はあるぜ。言うまでもないがな。
俺を雇え。そして助けろ、逃げろ、倒せと命令しろ。
ただそれだけ。
それだけであんたのブヨブヨの体が、また一歩寿命で死ねるようになるぜ。
さあどうする?信じられない?信じなくてもいいよ。その時はあんたの肉を高く売らせてもらうから。
おっと、そうだそうだ。
信じられないよな、そりゃあ。
こんなマントと頭巾で顔を隠していたら、信用出来るもんも出来なくなるな。
こいつは失敬。
じゃあ改めて、自己紹介するよ。
なんでも屋をやっている、ナムだ。年齢を言うのは趣味ではないんだが、建前としてな。10歳だ。

さあて、どうする?お互いの信頼を深めあって溝も陥没して、あんたの意見を聞こうか?
魔法、科学、錬金術、人獣、絶対宗教、天国地獄、全てが混じって全てがこの世界。
名前は各々が勝手に呼んでるがな、俺の気に入った名前で紹介しよう。
ようこそ全ての世界の交わる世界、エンド・オブ・ハートへ。
あんたの命は・・・どうなるかい?







「で、渋ったそいつは死んだわけよ。ハアッ!?って顔でな」
「そう・・・じゃあムナは戦わなかったのね・・・よかった・・・」
「泣くなって。全然いいこと無いさ。金づるがなくなったからな」
「そんなこといっちゃあ駄目だよ。ムナが死んじゃうかもしれないんだよ。そんなの悲しいよ」
「でも、早いととこ金を稼げる所を探さないと。・・・賞金稼ぎが一番楽なんだけどな・・・」
「駄目、賞金稼ぎなんて許さないわ・・・殺し合いをするのが駄目じゃないの。私とナム以外はみんな死んでもいいのだけれど、でもあなたが危険な目に合うのは許せないわ」
「・・・分かったよ。しばらくは死刑執行人としてがんばるさ」
「そうね・・・いっぱい殺して、いっぱいお金をもらっておいしいもの食べてね・・・ゴホッゴホッ!」
「ああ、ほら。もう寝ろって。俺の金稼ぎの理由は、お前の病気を治すためだよ。いいから俺に任せとけ。きっとお前を元気にするから」
「うん・・・ありがとう・・・ごめんね・・・・・・すうすう・・・・」
「(まあ・・・殺していくしかないよな。死刑囚を。)」

明日も朝から元気に執行か。
どんなやつだろう。
魔法で逃げようとするかな?
それとも神の力で俺を殺そうとするかな?
どうなっても楽しみだあ。
罪人が逃げれば逃げるほど、死刑執行は楽しくなるからな・・・!
この常人では持ちえない筋骨隆々の肉体で、どうやって壊してやろうかな・・・・・・
明日が楽しみだ。
遠足にいく前日のような。遠足行ったこと無いけど。





     

2「魔法しょうじょ」



こんにちは~私の前に来てくれてありがとう~。

私のなまえは~魔法少女マオです~。

今日も私はみんなの平和を~愉快痛快に守っちゃいます~。

・・・え~?何かおかしいですか~?

言いたいことがある~?それはどんなことですか~?

くだらないことだったら華麗にOVER KILLしちゃいますよ~。

・・・・ふむふむ~・・・なるほど~・・・そうでしたか~。

私の姿がおかしいとおっしゃるわけですね~。

わかりますよ~あなたの疑問は~。

私の身体の大きさですよね~。

あなたから見たら~そりゃあ身長が210センチの私は魔法少女って感じはしませんよね~・・・年齢ですか~?

女性に年齢を聞くのは禁句ですよ~。

でも私は28歳の大人の魔法少女ですから~気にしませんよ~。

大人の余裕ってやつですよ~。

でもあなたは状況が~理解できていますか~?

あなたのことを狙っているのが、何を隠そうこの私なんですよ~。

なんでかっていうと~新しい魔法を使うためには魔法協会に行って魔法を買わないとなんですよ~。

でも私はびんぼったれですから~人身売買で金を稼いでいるんです~。

非人道的~?人権無視~?そんなの私の世界では当然でした~。

疑問にしたところで人身売買が減るわけでもありませんよ~。

ところであなたは~おいくつですか~?

若ければ若いほど高くは売れるけど~年老いた人も賞金首のような感じで一部の人に人気があるんですよ~。

と~いうわけで~あなたの最終的な選択は~私に売られるか~。

逃げようとして悲しくなる私に殺されるかのどっちかなんです~。

異論は認めます~。

私はとても寛大なのです~。

親兄弟~友人恋人その他大切な人にお別れの言葉くらいは言わせてあげます~。

もちろん売られる方での話ですけどね~。

逃げたりしたら~生きていることを後悔するぐらい痛めつけますよ~。

具体的には~私は~不死身にする魔法をかけて~動けなくして~ご飯を抜きにしてあげます~。

さあて~どうします~?

悩んでも待ちますよ~。

私は寛大なのです~。




「お姉ちゃん~売ってきたよ~」

「フフフ・・・よくやったわマオ」

「流石、最若末妹」

「お姉ちゃんたちは~、どうだった~?」

「フフフ・・・もちろん稼いできたわよ。私はあなたの5倍ぐらいかしらね」

「我、貴女三倍」

「わ~すごいなあ~。みー姉とむー姉はまだ帰ってこないの~?」

「フフフ・・・あの子たちは仕方ないわ。残業必須なんですもの」

「会社女子、飯屋給仕、両方多忙」

「そっか~。・・・それにしてもおなか減ったなあ~」

「フフフ・・・今日は私特製、クリームシチューよ」

「素子姉料理、激美味。我大好物」

「わあい~。はやく二人とも帰ってこないかなあ~」

「フフフ・・・私たち五人姉妹、元気に仲良く暮らしていきましょう。マオ、あなたも頑張って魔法をマスターしていってね」

「うん~。もー姉や~めー姉に負けないぐらいの魔法使いになる~!」

「根性、魂、熱血、愛、友情、大切。・・・ガンバレ」

「うん~。人生30からだよね~。頑張るよ~!」



長女、素子 年齢不詳(100歳以上)
二女、芽衣 年齢不詳(80歳以上)
三女、睦月 年齢不詳(60歳以上)
四女、美代 年齢不詳(40歳以上)
五女、真央 年齢、28歳


血は繋がっている。

家族への愛情もある。

無いものは寿命、そして常識。

社会のルール、会社のルールは守れる。

けれども世界のルールは守れない。

おそらく世界が終わろうとしていても、今日の夕食のことだけを考える。

しかし誰か一人が巻き込まれれば、世界が滅びるほどの力で救い出す。

それが彼女たち、使魔家。

彼女たちは魔法が主流の世界にいた。

だがある時世界が割れ、他の世界とつながって一つになった。

他の者たちが死のうとも、消えようとも、彼女たちは繋がっていた。

きっと、その繋がりが消えるとき、それはこの世界が終る時だろう。


続く

       

表紙

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Neetsha