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「ノートの中の彼女」採点・寸評
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1.文章力
100点
2.発想力
100点
3. 推薦度
95点
4.寸評
完成度はこの企画でもトップクラス。
とにかく構成が良く、ありがちな"とってつけた感"は皆無。よく考えられた真面目な作品です。"彼女"の豊かな想像力が培われた過程を想像すると、少しおかしいかもしれませんが、何とも味わい深い。味わい深いです。
作者さんは、立派な作品をたくさん生み出せる人だと思います(もう何作も生み出しているのかもしれません)今後も真摯に書き続けて欲しいです。ていうか、自分も頑張ろうと思えました。
推薦度がマイナスなのは、話が"綺麗すぎる"からです。リアリティに溢れている故、逆にこの後ノートを巡って、これまたリアリティに溢れたどす黒い展開になってしまうのではないか、と想像させられてしまいます。読後の印象までもコントロールするのが作者の務め――というのが個人的な考え方です。
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1.文章力
100点
2.発想力
100点
3. 推薦度
100点
4.寸評
泣けました。今まで採点した中で最も切ない話であり、生死が関わる中で最も命を大事にした作品だと思います。
文章は作者様によると誤改行があったようですが全く気になりませんでした。というか序盤から完全に世界観に引き込まれたので細かいことを気にしている余裕がなかったです。
万人にオススメする、人口庭師に匹敵する今企画中最高の作品です。皆さんぜひご覧ください。
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1.文章力 100点
2.発想力 95点
3.推薦度 100点
4.寸評
とても読みやすく、無理のない練られた設定や、描写の数々は素晴しいの一言に尽きます。病気の子の心理や願望が、よく伝わってきました。
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1.文章力 80点
2.発想力 70点
3.推薦度 85点
4.寸評
途中でネタばらしのような箇所をわざわざ挟んでおり、オチとしてはそこまで奇抜というわけでもなく、読んでいると終盤前にオチが分かってしまうのが残念。
ネタばらしのような箇所とは、献身的に勤めていたはずの女性が、想像の中で彼女の姿を移り変わらせていく場面である。作者が意図的にやっていない可能性もあるが、実際の彼女の姿とノートの彼女が重なるのならまずそうなるはずがない、という場面だ。
そこだけではなく、そのまま行ってしまうとカタルシス無く終わってしまいそうな年記という構成(これは私が前評判に意識させられたという部分もあるだろう)、幼いころの病気という分かり易すぎる伏線。おそらく、読んだ人のほとんどは終盤前にオチが読めていたことだろう。隠すつもりがあるのならもっと上手くできたのでは? と思ってしまう。
また、年記の中のほとんどが病気の苦しみを具体的に感じさせない淡々とした文面で、「長い間入院していた」以外に彼女に同情できる部分が(終盤前には)ほとんどない、というのも気にかかった。
終盤までの話には起伏が全くといっていいほど無いため、若干飽きを感じてしまう人もいるのではないだろうか。
と、まあここまで「ここが変わればもっと良くなったかもしれない」部分を上げてきたのだが、それを差し置いても、終盤には私も感動させられてしまった。
きっとこの物語は、「彼女」にではなく女性に感情移入する話だったのだろう。そう思わせられるほど、驚きこそ無かったものの、ぐっと読み込ませられる終盤だった。
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1.文章力 60
2.発想力 60
3. 推薦度 50
4.寸評
アイディアがいいですね。年記、という言葉から始まるストーリーも面白かったです。
読了後に味わえる温かい寂寞感は魅力的。
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各平均点
1.文章力 88点
2.発想力 85点
3. 推薦度 86点
合計平均点 259点