Neetel Inside 文芸新都
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5.2 [恐怖!!戦慄の悪魔 の巻]

の 「ねえニョビ太くん。ねえってばー」
ニョ太 「うるさいなぁ。のらえもんは野原で追いかけっこでもしてろよ」
の 「チェー。千里眼鏡貸してやったの誰だと思ってるんだ。ニョビ太のくせに。」
ニョ太 「あっ!もうすこしでスカートの中が・・」
の 「なんだって!よ、寄越せ!」
ニョ太 「ただで貸してやるわけにはいかないな」
の 「何ィ!卑怯だぞ!」
ニョ太 「あとひと吹き・・あとひと吹き風で・・」
の 「俺にも見せろォォォォ!」
ニョ太 「ふん。このねずみでも眺めていろ!」
の 「・・・・」
ニョ太 「ん?変だな・・。いつもなら叫び声が聞こえるはずだが、さては驚いて失神しているな?」
の 「・・・・」
ニョ太 「馬鹿なやつだ!こんなときのためにねずみを捕まえておいてよかったよ。・・ハッ!?」
の 「ククク・・」
ニョ太 「こ、この笑い声は・・!?まさかッ!だが奴は失神しているはずッ!!」
の 「ククククク・・・」
ニョ太 「違うッ!失神してなどいなかった!始めから!奴はッ!
奴は、ねずみを見てなお失神することも叫び声を上げることもなく、笑っているのだ!!」
の 「残念だったなニョビ太。(グシャ!)」
ニョ太 「うっ!ね、ねずみを素手で!!これがのらえもんなのか!?だとすれば奴はなぜ平気で立っていられるんだ!」
の 「千里眼鏡は返してもらうぞ!貴様にはコンタクトがお似合いだ!!」
ニョ太 「いつの間に!?は、速いッ!いつもののらえもんの数十、いや、数百倍の速さ!
こんなことが・・こんなことがあっていいのかァァァァ!この俺がッ!このニョビ太様が!のらえもんごときにイィィィィ!!」
の 「ハッハッハ!見える見える。あんなものやこんなものまで見えるぞ!・・おや?どうしたニョビ太。
そんなところにうずくまって、腹でも痛めたのかな?」
ニョ太 「ギクッ!そ、そうさ・・実はさっきからお腹が・・
(クソッ!立ち上がるとコンタクトだと実はちょっとかっこいいのがばれてしまうからだなんて言えるわけがない!
これはそう、屈辱!正体を明かせないヒーローのように俺は嘘をつくしかないッ!!なんという屈辱!!グォオオオ!!)」
の 「あっ、まさか、こんなものまで見えるだなんて!恥ずかしいっ!」
ニョ太 「のらえもん・・一ついいことを教えてやろう・・。」
の 「な、なに!?」
のらえもんは困惑した。
ニョビ太はすでに戦意を喪失し、自分の敵ではないと考えていたにもかかわらず、
しかし彼から発せられた言葉には得体の知れない自信と闘志が確かに込められているように感じて、
そのことがのらえもんを恐怖させたからである。


       

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