Neetel Inside ニートノベル
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 なんだろうこの感覚は。
「? どうした? 愁夜大丈夫か?」
 ツーとボクの頬を伝う暖かくもすぐに冷たくなっていく水。
「あれ? あれれ?」
 どうしたんだろう。ボクはひょっとして泣いているのか?
 視界がぼやけて会長の顔がよく見えない。見えないけどきっとおろおろしているんだろ。
「だ、だいじょうぶか? な、泣くなっ。泣くなよ、愁夜っ」
「だ、大丈夫、です。すぐ、泣き止みますから」
 そうはいっても一向に泣きやむ気配はない。むしろどんどんあふれていく一方だ。
 どうしたというのだろうか。今のボクはちょっとでも押せば多分ガラスのように綺麗に散っていくみたいに自分が弱く見えた。
「??」
 急に真っ暗になる。
 いや、もちろん夜なのだから暗くなるのは当たり前だけどいい匂いがするし、それに、とっても心地よい温かさがあった。
「どうだ? 少しは落ち着いたか?」
「かい、ちょ、う?」
 少し鼻声になりながらも聞いてみる。
「ん? なんだ?」
 キュッと締りが強くなる。
 あぁ、そうか。会長の懐にいるんだな。
 そう思うと懐かしい匂いとともに安心感と急激な眠気に襲われた。
 ――いやだ。もう少し、このまま感じていたい。会長の腕の中に…………
 そう思うボクの気持ちとは裏腹に静かに眠っていった。

       

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