Neetel Inside ニートノベル
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Nightmare
8話-闇の世界

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間違い探し・・・だっけな。
あの月が、何かあるのか・・・?

++
駅をぬけ、地下街"別世界(アナザーワールド)"を歩いていた。
「あいつら何者なんだ?」
俺はもうその質問を何回しただろう。
石川はだんまりだ。
「考え込んでるんですよ。いつものことです」
唯可・・・
それはいいんだけど一体こいつは何時間考えるんだ?
「どうやってかえるんだよぉー」
鑑。それは後回しだ。
時刻はすでに4時を回っている。
だからどうしたってわけではないが
何故こんなに"別世界"をまわっているか。
家で作戦会議とかしないのか。
だが、
電車が来ないのだ。
ここ4時間。1本も。
戦いの時間はおおよそ2時間ほどだったらしい。
そんな感じはしなかったがなぁ。
「"赤の世界"では時間軸も此処とは違っています。
 時間。空間。すべてにおいてずれた世界ですので」
要するにあっちの30分はこっちで1時間だったりする
ってことか。
「そーですねっ」
とどこかの番組風に。
うーん、それは12時に言うネタだろうに。
「ふあっ!」
石川が奇声を放った。
そういうキャラじゃなかっただろうに。
あんた等二人して反省してくれ。
「いや、ちょっとな。
 "組織"に連絡いれてたんだが・・・」
いやな予感はしてるからな。
「"組織"との連絡が取れないっと?」
「その通り。どうするもこうするも無い。
 あの"赤の組織(PDP)"が多分何かやってるに違いない。
 PDP="組織"かも知れない。
 そうだと仮定するならば、
 私達4人は孤立無援。四面楚歌ってわけだ」
それは困ったな。
どうしようもないじゃないか
そこで暇した鑑が
「紫の月・・・これは間違い探しか?なーんてな」
・・・まてよ。
・・・まさかな・・・

・・・*・・・

まさかな。ありえない。けど。
いやな予感といやな想像がめぐる。
そして結びつく。一つの軌跡を残して。
「はぁー。俺ってあったまいいなぁ」
むしろ妄想が酷いのかな。
でも。これが答えなのだとすれば。
皆が振り向いた。
「仮定の話をしようか。
 奴等はなんと名乗った?
 PDP。Parfect Dark Project。
 完全なる闇の計画。
 奴等が望む闇とは何だ?
 闇の世界を指しているとしたら?
 あの紫の月
 あれは何を意味すると思う?
 おれはこうだと思う。
 まず、"力"を使うには想像がいる。
 完全なる闇を想像できる奴なんているか?
 いないだろう。
 だから。
 "完全なる闇の意識を他人に与え。それを具現化する"
 これがいい手だ。
 完全なる闇なんか見たら
 気が狂っちまうぜ」
此処で一息。
「紫の月。
 あれは実は元は白だとすれば?
 少しづつ色を変えているとすれば?
 闇が近づいてるとしたら?
 答えは簡単だろう。
 白を見た記憶はない。
 あるのは俺だけ。
 お前達からすれば紫に違和感はないんだろう?
 これが俺の考えだ。
 石川。
 言いにくいがお前の"組織"とやらは
 "赤の組織"に作られた"観察課"
 そしてその観察対象になった俺は・・・
 "狂気を受け入れるべき存在"。
 闇を見せられているんだ。
 闇といっても夜だけじゃない。
 "頼れる仲間の死"
 これは十分な要素だろう?」
皆が気付いた。
俺は俺が望んできたんじゃない。
ただ、妄想してきているが故の
"ありえないことへの抗体をもつ存在"
としてこっちに招かれた。
不都合な記憶は消された。
そういうことだとすれば。
「あくまで・・・・仮定ですよね・・・?」
唯可・・・
それはわかっている。
けどしっくりきすぎているじゃないか。
「そんな・・・力に耐えうる器・・・」
石川は何かあるようだ。
「"組織"の目的なんだ。
 唯可には言ってなかったが。
 "この世界にはすばらしい"力"がある。
 "力"を持たないものの世界もある。
 ならばこの世界での"力"が何処までのものか
 それを観察したいじゃないか。
 そう、"力に耐えうる器の観察"。
 面白そうだろ?"
 おれがこの組織に入るときに誘われた誘い文句だ。
 お前の想像に当てはまりすぎる」
これで確定・・・か。
「そんなっ!?あんまりでしょ!?
 仮定なんですよ!?いや、
 仮定なんでしょ!?」
唯可・・・
俺の立場に立てるなんて。
鬼畜外道なんて言ってごめんよ。
でも
「真実なんだ。これが」
"向こう"から招かれたのはただの偶然。
"こっち"にも俺のようなやつがいたら
そいつでもよかった・・・いや。
それだと記憶が消せないから・・・
つまり。
「"俺しか適任じゃなかった"」
あーぁ。やだやだ。
俺はなぜこんな変なことになってんだ?
どうして俺は
こんな世界で・・・
「まってくれよ。霧徒。
 おかしくないか?
 じゃぁなぜ"赤の組織"はお前を襲ってきたんだ?
 闇というなの絶望なら
 "霧徒の仲間を呼んで殺す"
 でも良かったんじゃないか?
 そうでなくても
 お前を攻撃する理由はないんじゃ・・・」
おれは遮って
「いや。そんなことは無い。
 俺にも攻撃して
 死の恐怖を与えれば
 それは闇へと近づく。
 そして、"幽霊"・・・いや、
 "力"で魂を保存できるのだとしたら?
 それは十分な可能性だ。
 殺してしまっても。恐怖による
 精神の破壊に近い絶望の闇。
 これが与えれる。
 後は俺に"力"を使わせるきっかけを与えれば。
 "闇の世界"の出来上がり。
 ほら。これで説明が・・・」
「仮定が多すぎる!ありえないだろ!」
鑑が否定した
「でも・・・」
確かにそうだ。
仮定が多すぎる。
が、
「言いたくはないが。
 観察対象の魂を保存する技術も
 組織の中にあった。
 霧徒。お前に使う予定だった」
石川が仮定を確定に変えた。
そうか・・・やはり。
すると
「赤と黒の組織。
 これはおれの想像どおりなんだろうな」
赤がメインで黒が観察役。
なんでだ。
なんで俺はこんな目に。
「こうなったら・・・
 霧徒。最後まで付き合うぜ。
 苦難にあふれた人生なんて真っ平ゴメンだが。
 お前を見てると俺なんかなまぬりぃんだよ。
 助けてやるぜ」
鑑はとことん戦ってくれるらしい。
「あんな組織ゴメンだな。
 こんな裏事情があるなら。
 中から潰す?それすらも嫌だな。
 私はあの組織、外から正々堂々ぶっ潰してみる。
 それが私の役目だ」
石川なりのけじめ。
そうなんだろう?
「私に与えられたのは。石川と霧徒を守ることです。
 ならば答えは一つでしょう?
 地獄の果てまででも。
 たとえ歩むのが修羅の道でも。
 お供します」
この台詞。
ただの言葉じゃないさ。
重い思いの決意だ。
皆わかってるんだろう?
「此処から先は、"生きるか死ぬか"
 Dead or Arive だ。
 それでもついてきてくれるのか?
 こんなわけのわからん俺の為にか?」
答えは満場一致
「「ああ、もちろんだとも。」」
「こんな体験ないからな」
「私のけじめだ」
「私の任務とみなします」
・・・
・・


「ありがとう・・・みんな・・・」


・・
・・・

++

       

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Neetsha