Neetel Inside ニートノベル
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変な女

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俺は変な女が好きだ。
これだけ聞くと、ってかこれしかまだ言ってないが誤解を招くような発言だなこれ。
正しくは俺が好きになった女の子は総じて変である。
初恋は幼稚園の時、同い年のえっちゃんはおままごとの時リアルに食べてあげないと泣く子だった。
小学校低学年の頃好きになった近所に住んでいた高校生のお姉さんは昆虫が好きでいつも昆虫採集を一緒にやっていた。
今は新種の昆虫を探しにアマゾンらしい。
高学年の時好きだった子は自由奔放、傍若無人、天上天下、唯我独尊なウルトラ元気っ子だった。
とにかく真っ直ぐで中学生と喧嘩してはボッコボコにして付いたアダ名は『金剛番茶』。
そして今現在好きな子は、

「聞いてるのかい?」

どうやらぼうっとしていたようだ。
正直に謝ると

「僕は今、大事な話をしているんだ。真面目に聞いてくれないと困るのは僕だけじゃなくてキミもなんだよ?」

彼女はそう言った。もう一度言う『彼女』はそう言った。
思い出して欲しいのは一人称だ。俺のではなく彼女の
………そう。彼女の一人称は『僕』だ。
非現実、線と線の織りなす平面の世界になら掃いて捨ててもなお無数に生息する僕っ子だが、
リアル、線と線の世界に厚みを加えた俺達の世界にはそうそういないレア度3(MAX7)の希少な存在である。
これが俺が想いを寄せる彼女の変人ポイントその1だ。
第二はこれである。

「いいかい?かの有名な・・・も○○○○と言ったようにだね、~~~~で×××××なんだよ」

かの有名ななどと言ってるけど俺にとっては見たことも聞いたこともない、徹子のヘアスタイルと同じくらい未知なるモノで雄弁と彼女は語る。
時には理論的に、時には哲学的に。
中二病と言えばことは済むかも知れないがソレとはどこか違う雰囲気を醸し出しているのが彼女である。

そして最後、思い立ったら止まらない。2、3人のタックルならものともせずにチームメイトにラストパスを送るラグビー選手のように止まらない。

「僕達は今、思春期と呼ばれる時期をすごしている。
思春期と言えば何だと思う?」

俺は少し彼女の困った顔が見たかったので『オナニー』と答えた。
しかし、彼女は困るどころか待ってましたと言わんばかりに目を輝かせ

「そう、その通り!オナニーだ!
思春期に性に目覚め僕等は性的快感を求め自慰と呼ばれる行為に走る。
猿にオナニーを教えると一日中やっているらしい。
多少時期は違えど僕等は性に目覚めオナニーを覚える。
これは生命の神秘だ!種の繁栄という目的のために刷り込まれたサブリミナルであったとしても僕は非常に興味がある!キミもだろう?」

俺は中3の乙女が教室はおろか学年中に聞こえそうな大声でオナニーについて語っているその姿のほうが遥かに興味があるが言わないでおく。

「だから、その頻度、やり方、オカズ等について聞き込み調査を行う!
キミもついてきてくれ!」

そう言うと彼女は手近な性徒を捕まえ尋問を始めた。

というように俺が好きな子はどこかおかしい。
ほっておいたらどこまでも行ってしまいそうで心配で不安になって頭から離れなくなってしまうそんな子ばかりだ。
もし、この感情が恋愛と言うものでないのなら至急、『叙菜山中3―2俺係』まで連絡願いたい。


「ほら、キミはあっちの子に質問してきてくれ」

そう言って女子の群れを指差した。
………実に前途多難である

       

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