Neetel Inside ニートノベル
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【深夜2時】
シゴキ「ターゲットに動きは?」
ジャック「ないですね。寝室で寝ているようです・・・が、扉の外に護衛が2人います。どうします?」
シゴキ「うー、この際しょうがないかな。行こう。こっそり近付いて、この包丁でイッヒッヒッヒ・・」
ジャック「ん! 待ってください。動いてます。寝室を出て・・・・部屋に入りました。いくつもの個室がありますが・・・・近くに・・・人はいません!」
シゴキ「好機! じゃあ頼む」
ジャック「イエス!」
 そう言うと、ジャックからオナラのようなモノが噴き出し二人を包み込んだ。きめえ。
ジャック「あと2秒で着きます」
 俺は始めてのテレポートに焦ってしまい、バランスを崩して倒れてしまった。床が冷たい。

シゴキ「……ここは?」
ジャック「男子トイレじゃないですか!?」
 急いで周りを見渡すと、便座に座って目を丸くしてるオッサンと目があった。テレポートした瞬間に突き刺すのがベストだったのに失敗じゃんか。それとドア開けっ放しでウンコすんな。
シゴキ「えーと、あんたが総帥さんかな?」
 そう言い終えるよりも早く、二本のライトセ〇バーが空を切り、二人の喉元に突き付けられた。
オナキン「うぬら何者じゃ」
 さっきまでとは別人のような鋭い眼光が二人を貫く。
 オナキンの下半身がスッポンポンであることを除けば、かなりカッコイイシーンである。
 うっひょー、マズった。暗殺は失敗したので、第二の作戦に移行する。

シゴキ「さ、さすがラスボスってとこか? だが戦いに来たんじゃない。国の代表として交渉しに来たんだ」
オナキン「・・・じゃろうな。うぬらごときでは我に触れることすら出来ぬわ」
 カッコつけてないでパンツ穿けよ。
シゴキ「だ、だろ? だから、まずはその著作権的にも危ない物をしまっ・・」
 ブォン! お馴染みの音がトイレに響く。
オナキン「早く用件を言わぬば切って捨てるぞ」
 過齢臭がキツイ。
シゴキ「オーケーオーケー、単刀直入に言おう。組織を解散させれば、好きなアイドルを1人くれてやる」
オナキン「なぁにいぃぃ!」
ジャック「な、何を言ってるんです!?」
シゴキ「好きな人間を好きにさせてやるって言ったのさ。これは国と事務所の許可も下りてる。札束よりもこっちの方がいいだろ?」
オナキン「ぬぅ・・・わ、我は仮にもリーマン・シスターズの長。肉欲に負け、社員達を路頭に迷わすわけにはいかぬ!」
シゴキ「おや? お気に召さないかい?」
オナキン「と、当然じゃ。ゆう〇りん1人の為に会社を犠牲にするなど断じて・・」
シゴキ「じゃあ3人だ」
オナキン「うぅぅ!!」
シゴキ「触ろうが嗅ごうが踏まれようが、あんたの自由さ。なんなら結婚してもいい」
オナキン「うぬぅぅ。わ、分かった。条件を・・・飲もう」
シゴキ「さすが! 話が分かる!」
オナキン「……二言はあるまいな」
シゴキ「そりゃもう。そんで、早速なんだが誰がいいんだい?」
おなきん「え? じゃあね、えとね、ゆうこ〇んとね、クッキングア〇ドルの福〇遥たんとね、それから」
シゴキ「あ~、18歳未満は色々まずいんだけど・・・」
おなきん「あっ、そうだよね、そうだよね。んじゃね~」
シゴキ「まあ、そんなに急がなくても一週間後にまた来るから、それまでじっくり考えな。生涯の伴侶をよ」
おなきん「え。うん、わかった」
シゴキ「んじゃ、一週間後」
おなきん「ばいば~い」

 テレポートで家に帰り着くと、ジャックが超エキサイティングし始めた。
ジャック「どういうつもりですか! 意味の分からない約束までして! しかも女性をまるで物のように! 国と事務所の許可なんか下りるわけないでしょう!」
シゴキ「まあ、落ち着け。そう怒るな。ちゃんと意味はあるよ。
あのオッサンは15年もオナ禁してるんだろ? ってことは普段は妄想しないようにしてるんだろうよ。だから妄想するきっかけを与えてやったのさ。
しかもただの妄想じゃない。好きなアイドルと、にゃんにゃん出来るっていう極上の妄想だ。それも国と事務所の保証書付きで、具体的な名前まで考えさせている。
やがて妄想は濃厚なものとなり、もはや理性で抗うのは不可能・・・一週間も持つはずがない。すぐに抜いちゃってアウトさ」
ジャック「な、なるほど」
シゴキ「あとは一斉攻撃するなり、スパイを送り込んで内部抗争を煽るなり好きにすればいいさ。んじゃ、もうオナニーしていい?」
ジャック「だ、駄目です。まだ四天王も残ってますし、懸念事項がないわけではありませんし……」
シゴキ「懸念事項?」
ジャック「ええ、大丈夫だとは思うのですが・・」

シゴキ&ジャック「!!!??」
 突然、まるで風呂場にオナホール置き忘れたことを、翌朝気付いちゃった時のような寒気が全身を襲った。
シゴキ「……なあ、今のは?」
ジャック「はい、おそらくオナキンのフォースです。どうやら最悪のパターンだったようですね」
シゴキ「最悪のパターンってなんだよ!?」
ジャック「オナキンはEDになっていたんですよ」
シゴキ「え?」
ジャック「EDですよ。男性器が機能しなくなること」
シゴキ「いや、それは知ってるけど・・・56歳で……可哀相に。やっぱり適度に抜いた方がいいのかな? でも枯れたんなら性欲収まりそうなもんだけど・・・」
ジャック「はい、普通はEDになれば力を失うはずです」
シゴキ「でも俺にも感知出来るぐらい、パワーがみなぎってるぜ?」
ジャック「文献で読んだことがあります。一度も性交渉をしたことがない者が、オナ禁の果てにEDになると大いなる災いを招く、と。どうやら彼はそういうお店にも行った事がない、真性童貞だったようですね。
もはや一生童貞です。そしてその無念に呼応するが如き、力のうねり。この状態が明日には終わるのか、死ぬまで続くのかは私にも分かりません」
シゴキ「じゃあ・・」
ジャック「あっ、電話です。失礼」
 話の途中に……
 電話を取ったジャックはひどく慌てている様子である。この流れじゃ、一夜にして司令本部が壊滅しました~とかかな? もう壊滅したんだっけ?
 でもそういうのは怪我をしたサブヒロインが教えに来てくれなきゃ。んで、どうした? 何があったんだ? とか言って駆け寄って・・
ジャック「シゴキさん! 今すぐYout○beで動画を見て下さい。URLはパソコンにメールで送りました」
シゴキ「へいへい」
 常時スタンバイ状態の俺のパソコンが瞬時に起動し、お目当てのページを開いた。
 動画が始まる。映像が始まる前にちゃっかりCMを入れている辺りは、さすがである。
シゴキ「おっ、オナキンが出て来た」
ジャック「シッ!」

オナキン「全世界の童貞諸君。我は童貞のオナキン・スカイウォーカーである。早速、本題に入るとしよう。
我々は無人島を買い、それを童貞島と名付けた。そして我こそはと思う童貞は、是非入島していただきたい。
この島では国民も官僚も警察もサイバーポリスも、みな童貞である。もはや痴漢冤罪を恐れる必要も、クリスマスを恐れる必要もない。バレバレなのに非童貞のフリをする必要すらないのである。
真の精神的平穏がここに実現するのだ。
集えよ、童貞! 今ここに大童貞帝国の建国を宣言する!!!」

 この放送は世界中の童貞の関心を呼び、童貞島は一夜にして百万人都市へと変貌を遂げたのであった。

 んな、アホな。

       

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