Neetel Inside 文芸新都
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「うー…おかぁさぁん…」

ちよちゃんが病気です。
昨日から高い熱にうなされています。
「うー…つらいよぉ…」
「熱、下がらないわね…お薬効かないのかしら…」
お母さんも心配そうです。
「ちよ、大丈夫?」
「…つらい」
「もうすぐ、お薬効いてくるから。そうしたら、きっと楽になるわ。」
「うー…」
ちよちゃんはぼやけた視界の中、かみさまを探しました。
かみさまはちよちゃんのそばに浮かんでいました。
かみさまもどことなく心配そうです。
「たすけてよぅ…」
ちよちゃんがかみさまに言いました。
けれどかみさまは動きません。
ただふわふわと浮かんでいます。
「ねぇ…」
かみさまがちよちゃんにすっと手をのばしました。
そして、ちよちゃんの頭を優しくなでました。
「…」
ほどなくちよちゃんは寝息を立て始めました。

ちよちゃんがすっかり良くなったのは、それから数日後の事です。

「ちよ、やっと熱が下がったわね。良かったわ。」
「うん」
「でもまだ大人しくしてるのよ?」
「うん」
元気になったちよちゃん、でも何だか不機嫌そうです。
「ばか…」
言ってちよちゃんはかみさまをにらみました。
ちよちゃんはかみさまが何もしてくれなかったから少し怒っているのです。
そんなちよちゃんを見てかみさまはすっと手をのばしました。
そしてちよちゃんを指差しました。
「?」
次にかみさまは、窓に止まった小さな虫を指差しました。
「なぁに?」
次にかみさまは天井を指差し、くるくると腕をまわしました。
「なによぅ」

結局、ちよちゃんがかみさまと仲直りをしたのは、それからさらに数日後の事でした。

       

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