ちよちゃんがお友だちのあやちゃんとお部屋で遊んでいます。
あやちゃんはおめめのぱっちりした、きれいな黒髪の女の子です。
あやちゃんの後ろにも、かみさまはぷかぷか浮かんでいます。
ちよちゃんのかみさまとは色がちょっと違って、ほんのり青みがかっています。
「あ、おやつのじかん」
あやちゃんが言いました。
それを聞いてか、あやちゃんのかみさまがすうっと手をあげます。
すると、
「二人ともおやつよー。」
お母さんがお菓子とジュースを持ってやってきました。
「わぁい!」
二人はおやつに飛びつきました。
あやちゃんはにこにこしています。
けれどちよちゃんは自分のかみさまを見つめながら、
少しだけ不満そうな顔でジュースを飲んでいます。
のどが渇いていたからか、ジュースはすぐになくなってしまいました。
「おかわり、ほしいなぁ…」
ちよちゃんはかみさまに言いました。
けれどかみさまはただ浮かんでいるだけで、何もしてくれません。
ちよちゃんは不機嫌そうにお菓子を食べています。
ほどなく二人はおやつを食べ終わりました。
するとあやちゃんは、おやつののっていたおぼんを持つと、
「ごちそうさまー」
と言ってお母さんのところへ運んで行きました。
一人お部屋に残ったちよちゃんは、かみさまの方をむいて、
「…ごめんなさい」
と言いました。
そんなちよちゃんを気にもせず、どちらのかみさまも、
ただおかしな歌をうたっていました。