「どちらにしようかな…」
ちよちゃんが迷っています。
指を右に左に振っては、かみさまをちらちら見ています。
「てんのかみさまのいうとおり」
ちよちゃんはまたちらっとかみさまを見ました。
けれどかみさまはただぷかぷか浮かぶばかりです。
「どちらにしようかな…」
ちよちゃんはまたかみさまをちらっと見ました。
「てんのかみさまのいうとおり」
ちよちゃんがまたかみさまを見ると、かみさまはすっと手をのばして、空をくる
くる指差しています。
「どちらにしようかな…」
ちよちゃんはそれから数回はあきらめずに繰り返しましたが、
けっきょく、自分で選ぶ事にしました。
かみさまはぼんやり天井を見つめていました。
「い…のと…せて…う…」
ちよちゃんが本を読んでいます。
ちよちゃんは少しなら字が読めますが、お父さんの本なので上手く読めないようです。
「から…え…ます…」
ほとんど内容はわからないようですが、写真や絵がところどころにあって、
ちよちゃんは楽しそうです。
そんなちよちゃんを見て、かみさまが嬉しそうに、すっと手をのばしました。
「…と…して…空の…」
ちよちゃんは楽しそうに本を読んでいます。
かみさまは、嬉しそうに歌をうたっていました。