「あー、あ…うー…んー…」
ちよちゃんがおうたを歌っています。
どうやらかみさまの真似をしているようです。
「うー…ああー…るー…」
いつものようにふわふわと歌うかみさまのうたを聴きながら、
ちよちゃんもいっしょになって歌っています。
けれど、言葉は聞き取れても、なぜかうまく真似できないようです。
「うゅー…ららら…にゅー…」
それでもちよちゃんはかみさまの真似をして歌っています。
「るー…あー…」
「ちよ、おうた歌ってるの?」
お母さんがちよちゃんの声を聞いてやってきました。
「あら?」
お母さんがお部屋に入ると、いつの間にかちよちゃんは眠ってしまっていました。
「あらあら、この子ったら、寝ぼけて歌ってたのかしら。」
お母さんはちょっと笑って、ちよちゃんをお布団に運んであげました。
その時、ちよちゃんは夢をみました。
かみさまと、ちよちゃん、そしてお父さんとお母さんと、
手をつないでおうたを歌う夢でした。
起きたときにはもう、歌詞を思い出す事はできませんでしたが、
夢の中で歌うみんなは、にこにこして楽しそうでした。
かみさまは、そんな眠るちよちゃんの頭を優しくなでていました。
そして、いつもよりもずっと優しく、歌をうたっていました。