Neetel Inside 文芸新都
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ちよちゃんとかみさま
☆番外編「かよちゃんとかみさま」

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かよちゃんは4歳です。
少し茶色がかったくせっ毛を、三つ編みにしてぶらさげて、いつも前髪は短め。
動きやすい服が大好きで、スカートをはくのが大嫌い。
おしゃべりなのが玉にきずな、いつも笑顔の女の子です。

かよちゃんの後ろには、かみさまがいます。
ぷかりと浮かんでいて、時々風に揺れています。
色は薄いピンクで、頼りなげにふわふわしていて、まるでいびつなわたがしのようです。



かよちゃんが幼稚園の宿題をしています。
「しょうらいのゆめ」というテーマで絵を描くというものです。
クレヨンでお顔まで汚して、かよちゃんは夢中でお絵かきをしています。
かみさまがふいっと、かよちゃんの絵をのぞきこみました。
そこにはお父さんとお母さん、そして小さな女の子が描かれています。

「あっ」

かみさまに気づいてかよちゃんが画用紙を手で隠しました。

「かってにみちゃだめなんだよ」

かよちゃんはほっぺを膨らませて言いました。
そんなかよちゃんに向かって、かみさまはにゅっと手をのばしました。
そして画用紙の上でくるくると手をまわします。
すると、

「かよちゃん!」
「え?」

かよちゃんがびっくりして画用紙から手を離すと、
なんと絵の中の女の子がかよちゃんに話しかけてきました。

「かよちゃん!」
「あなた、だあれ?」
「あたし?あたしのなまえはね…」

ガラッ

「加代子、宿題できたの?」
絵の中の女の子が名前を言おうとした瞬間、お母さんがお部屋に入ってきました。
「あら、上手に描けてるじゃない。よく見せて。」
「だめなんだよ」
かよちゃんはあわてて絵を隠しました。
「じゃあ何を描いたか教えて?お母さん気になるな~。」
「え~…んとね…」
かよちゃんはちょっと照れながら言いました。
「あたし、おかあさんになりたいの」
「お母さんに?」
「うん」
かよちゃんは恥ずかしそうにこたえました。
「やさしくってね、おりょうりがじょうずでね、かっこいいだんなさんがいてぇ…」
「うんうん。」
「それでね、おんなのこのね、おかあさんになるの」
「女の子の?」
「うん!おんなのこ!げんきでね、いつもにこにこしててね、それでね、あたしににてかわいいの!」
かよちゃんのこたえに、お母さんは思わず笑ってしまいました。
かよちゃんは怒って、お母さんをぽかぽか殴りました。

そんな二人の後ろに浮かんで、かみさまは歌をうたっています。
昨日もそうだったように、今日も、明日も、明後日も…

       

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