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神話篇
『神話篇』によせて

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 『神話篇』によせて


 かねてよりの要望によりこの『神話篇』をまとめることができたことはわたしにとっての
最大の喜びである。思えば『神話篇』を学び始めて30年。多くの偉大なる先達の指導によ
り、また『神話篇』自身が持つ不思議な魅力にのめりこみ、長い学問の道をひたすらに歩ん
できた。今では、わたしに指導をしてくださった多くの先達のほとんどは鬼籍に入られてし
まったが、それぞれの著作に励まされながら、ここに至ることができた。そこには学問とい
う種の、生命の連鎖があるように、わたしは思う。わたし1人が完成させたのではなく、「
わたしたち」が完成させたのだ、と。
 この書を作っている間、何かとアドバイスをいただいた、いまだ健在の先達と、家族に支
えられて、この書は完成した。深く感謝する。

 追記 

 いまだ終わらない議論の中であげられている「博物誌」「人物列伝」「箴言」「詩篇」に
ついては別添として刊行することになる。本書の方が圧倒的に短いというのも皮肉なもので
はあるが、本書の魅力はその短さにあると、わたしは思っている。なお、本書は「マルセイ
ユ写本」を底本とした。
 


                      終暦225年 欠けた月の見える秋にて

                                       編者

       

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