私は三枚目の緑発がやつの手に吸い込まれていくのを黙って見ているしかなかった。
そうしてこんな時に限って狗藤が鳴ける牌を打ってこない。
四五、とあるところに五を打ってくる有様で、私は叫びだしたくなった。
シマは目を瞑って、何かに耐えるように新たにツモった牌を卓に打ちつけ、
「カーン!」
カッと琥珀色の両眼を見開いた。晒される四枚のドラが、それを見る私たちの鼓動を否が応にも昂ぶらせる。
そしてシマが手を伸ばすはリンシャン牌。
つくづく、こいつは底が知れない。
四五六七、の形に七を見事引き入れたのだ。