私が生まれる。
産み落とされる、私の意思とは関係なしに、だ。
うんうん、そうじゃない。
最初から私には意思などありはしないのだから。
この苦しみも、えらく憂鬱の気持ちも、全ては。
私の手の届かない、神様の考えなんだから。

目が覚める。
ゆっくりと起き上がる私は白い部屋の中にいた。
ただ、白いだけの床に突っ伏していた。
木製の丸っこいドアに、夜空を映し出す窓が一つだけ。
申し訳程度に丸い蛍光灯が天井からつるされ、真っ白な光で室内を照らしだしていた。
生まれ落ちる場所としてはあんまり良いところではなかった。
とと、考えるのは楽しくないからやめよう。
うんうん、私には楽しいと思う気持ちさえ存在してないのだ。
窓から夜空を見上げる。
真っ暗だ、星はおろか月の灯さえない、ただ真っ暗が広がるだけの空。
神様はどうやらとんでもなく暗い気持ちなようだ。
けれども、部屋は真っ白だ。
矛盾している。
本当は、神様は明るい気持ちなのだろうか。
ああ、そうか。
私がこう考えるということは、神様も自分がどんな気持ちなのか分かってなどいないのだろう。

パチッ。
私は蛍光灯の灯を消すと、そっと部屋を後にした。