Neetel Inside ニートノベル
表紙

涼宮ハルヒがもしも腐女子だったら?
まとめて読む

見開き   最大化      

「ただの人間に興味はありません。この中に、ガチホモ、重症の腐女子、腐女子同人作者さまが居たら、あたしのところに来なさい、以上」

 さすがに振り向いたね。
 そこに、えらい美人がイタっ!

 ハルヒは品定めするような目つきでゆっくりと男子生徒を見渡し、最後に大口開けて見上げている俺をじろりと睨むと、頬を染めて着席した。
 ……これって目を付けられたの?

 こうして俺たちは出会っちまった。
 しみじみと思う。嘘だと言ってよバーニィ。

     


 このファンフィクションは、基本的に原作そのままの進行で、もしもハルヒが間違った腐女子だったなら? という軽いIFを混ぜただけのストーリーです。

 原作を読み直しながら、此処をこう変えて、此処はこうして、と改編していくと、9割8分くらいは原文そのままになりそうな勢いです。

 なので、自重しました。
 断片の連続ですが、原作片手に、妄想で補完して貰えればと思います。

     

「なあ」
 俺はさりげなく振り返りながらさりげない笑みを満面に浮かべて言った。
「初っぱなの自己紹介のアレ、どのへんまで本気だったんだ?」
「自己紹介のアレって何」
「いや、だからガチホモがどうとか」
「あなた、ガチホモなの?」
「……違うけどさ」
「違うけど、何なの。ウケなの、セメなの?」
「……いや、どっちでもない。ノーマル」
「だったら話しかけないで。時間の無駄だから」
 涼宮ハルヒは俺に向けていた目をフンとばかりに逸らすと、二人組で会話してる男子に熱視線を送り始めた。

     

 国木田と谷口と飯を食うことにした。
「例外なく涼宮が振って終わりになるんだが、その際に言い放つ言葉がいつも同じ『あなたにお似合いの人がいるの。紹介するわ』。紹介するなっつーの、マッチョな兄貴を」
 こいつもそう言われたクチかもな。そんな俺の視線に気づいたか谷口は慌てたふうに、
「断ったって、マジで」

     


 着替えは女が奇数クラス、男が偶数クラスに移動してすることになっており。
 そんな中、涼宮ハルヒは平然たる面持ちで六組に移動したわけだ。
 ハルヒは朝倉涼子によって教室から引っ張り出されたね。

     

 いったい何がきっかけだったんだろうな。
 前述の会話やネタフリは省略だ。
 それは突然やってきた。

「気がついた!」
「何に気付いたんだ?」
「ないんだったら自分で作ればいいのよ!」
「何を?」
「ガチホモよ!」

 ガチホモを作る?
 ふむ。
 まさか、俺にも一枚噛めと言うんじゃないだろうな。
 よからぬ予感が告げていた。

     


 結論から言おう。そのまさかだった。

「協力しなさい」
「何を協力するって?」
「ユートピア建国よ」
「俺がお前のユートピアに協力したら俺は一体どういう目にあうのか、それをまず教えてくれ」
「あたしは部屋と仲間を確保するから、あなたは学校に提出する書類を揃えなさい」
 聞いちゃいねえ。

     


 一人の少女がパイプ椅子に腰掛けて何かを描いていた。
「これからこの部屋が我々の部室よ!」
「ちょい待て。どこなんだよ、ここは」
「漫画研究部よ」
「あの子はどうするんだよ?」
「別にいいって言ったわ」
「本当かそりゃ?」
「ヤヲイさえ描ければいいらしいわ」

     


「やあ、ごめんごめん! 遅れちゃった! 捕まえるのに手間取っちゃったって! 紹介するわ。朝比奈みくるちゃんよ」
「なんでまたこの人なんだ?」
「まあ見てごらんなさいよ」
 ハルヒは朝比奈さんの鞄をひっくり返した。
 バラバラとヤヲイ本がこぼれ落ちた。

     


 お知らせしよう。何の紆余曲折もなく単なるハルヒの思いつきにより、新しく発足するクラブの名は今ここに決定した。

 SOS団。

 そんなっ、
 おしりが、
 そんなっ、

 略して、SOS団である。

 賛成三、反対一で、SOS団は発足の運びとなった。

     



「コンピュータも欲しいところね。と言うわけで、調達に行くわよ」

「これ持ってて」
 そう言ってハルヒは朝比奈さんにインスタントカメラを渡す。
「いいこと? 作戦を言うからその通りにしてよ。タイミングを逃さないように」
 ハルヒは身をかがめて朝比奈さんの耳元でごちょごちょと呟いた。
「いやん? そんな無茶ですぅ」
「いいのよ」
 不思議そうに俺は朝比奈さんにアイコンタクトを図った。
 朝比奈さんは目を逸らし、いかなる理屈か、頬を赤らめた。

     


「部長は誰?」
「僕だけど、何の用?」
「一台でいいからパソコンちょうだい」
「ダメ」
「こっちにも考えがあるわよ」
 ハルヒの瞳が不敵な光を放つ。
 ぼんやり立っていた俺の背中を押してハルヒは部長へと歩み寄り、いきなりそいつの手首を握りしめたかと思うと、電光石火の早業で部長の掌を俺の股間に押しつけた。
「ふぎゃあっ!」
「うわっ!」
 パシャリ。パシャパシャパシャパシャパシャ。
 二種類の悲鳴をBGMに聞きながら朝比奈さんはシャッターを切りまくった。
「この写真を学校中にばらまかれたくなかったら、とっととパソコンをよこしなさい」

 次の日、俺は学校を休んだ。

     



 転校生がやってきた。
「古泉一樹です。……よろしく」
 さわやかなスポーツ少年のような雰囲気を持つ細身の男だった。
「入るのはべつにいいんですが、何をするクラブなんですか?」
「教えるわ。そんなっ、おしりがっ、そんなっ、団の活動内容、それは、」
 ハルヒは驚くべき真相を吐いた。
「腐女子とガチホモを集めてヤヲイ映画を撮影することよ!」
「いいでしょう。入ります。今後とも、よろしく」

     



「台本読んだ?」
 長門有希の暗闇色した目が俺を射抜いていた。
 台本。というといつぞや俺に貸した異様に熱いヤヲイ本のことだろうか?
「そう」
「いや、まだだけど……返してもいいか?」
「今日読んで。帰ったらすぐ」
 どうでもよさそうなのに命令調である。

     


 読み終わったら長門に呼び出された。
「学校では出来ない話って何だ?」
「涼宮ハルヒとわたしは普通の人間じゃない」
「なんとなく普通じゃないのはわかるけどさ」
「そうじゃない。この銀河を統括する情報統合意志思念体によって造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェイスにしてヤヲイ作家。それが、わたし」
「……」
「わたしの仕事は涼宮ハルヒを観察して、入手した情報を統合思念体に報告しつつ、ヤヲイ本を描くこと」
「……」
「生み出されてから三年間、わたしはそうやって過ごしてきた。信じて」
 長門は見たこともないほど真摯な顔で、
「言語で伝えられる情報には限界がある。だからわたしは漫画を描く。理解して欲しい」
 んなこと言われても。

     


 日曜日、野外活動をすることになった。
「じゃあくじ引きね」
 俺は印入り。朝比奈さんも印入り。
「ちっ、この組み合わせね」
 何故かハルヒは舌打ちし、他三人もがっかりした顔をした。

     


「キョンくん。お話ししたいことがあります。わたしは、この時代の人間ではありません。もっと未来から来た腐女子です」

「わたしがこの時間平面に来た理由はね。三年前。大きな時間振動が検出されたの。キョンくんや涼宮さんが中学生になった頃の時代。調査するため過去に飛んだ我々は驚いた。どうやってもそれ以上の過去に遡ることが出来なかったから」

「時間の歪みの真ん中に涼宮さん、彼女がいたの。わたしは涼宮さんの近くで新しい時間の変異が起きないかどうかを監視するために送られた……監視係みたいな腐女子なの」

「信じてもらえないでしょうね。こんなこと」
「いや……でもなんで俺にそんなことを言うんです?」
「あなたが涼宮さんに選ばれた生け贄だから」
「長門や小泉は?」
「あの人たちはわたしと極めて近い人たちです。色んな意味で」

     



 手紙が入っていた。
『教室に来て』

「遅いよ」
 朝倉涼子が俺に笑いかけていた。
 襲ってきたけど長門に殺されて転校したことになった。

     


 部室には朝比奈さんによく似た人がいた。
「谷口くんとか不細工とはあまり仲良くしないで! もっと小泉君のことを見てあげて!」

     


 自宅に戻ると古泉一樹が門の前で俺を待っていた。
「超能力をお見せします」

 古泉に手を引かれて、一歩、二歩、三歩。ストップ。
 俺は目を開いた。
 世界が桃色に染まっていた。
「次元断層の隙間、我々の世界とは隔絶された閉鎖空間です。始まったようです。後ろを見てください」
 遠くの高層ビルの隙間から青く光るマッチョたちの姿が見えた。
「涼宮さんのイライラとかが具現化したものだと思われます」
 股間から羽を生やした男たちがその周りを飛び回っている。
「僕の同士ですよ。僕と同じように涼宮さんから力を与えられた兄貴を狩る者です。さて。僕も参加しなければ」
 でたらめだな、もう。

     



 目が覚めると閉鎖空間だった。

「古泉、ここにいるのは俺とお前だけなのか?」
「そのようですね」
「こんな桃色の世界で、俺は古泉と二人で暮らさなければならないのか?」
「アダムとアダムですよ」
 
 古泉を殺せば元の世界に戻れるかもしれない。

     



 目が覚めると閉鎖空間だった。

「古泉、ここにいるのは俺とお前だけなのか?」
「そのようですね」
「こんな桃色の世界で、俺は古泉と二人で暮らさなければならないのか?」
「アダムとアダムですよ」
 
 古泉を殺せば元の世界に戻れるかもしれない。

     



 目が覚めると閉鎖空間だった。

「古泉、ここにいるのは俺とお前だけなのか?」
「そのようですね」
「こんな桃色の世界で、俺は古泉と二人で暮らさなければならないのか?」
「アダムとアダムですよ」



     



 目が覚めると閉鎖空間だった。

「古泉、ここにいるのは俺とお前だけなのか?」
「そのようですね」
「こんな桃色の世界で、俺は古泉と二人で暮らさなければならないのか?」
「アダムとアダムですよ」

 ……。
 …………。
「あーーーーーーーっ!!」


     



 何かおかしい。

「古泉、ここにいるのは俺とお前だけなのか?」
「そのようですね」
「こんな桃色の世界で、俺は古泉と二人で暮らさなければならないのか?」
「アダムとアダムですよ」

 古泉を殺せば

     



 何かおかしい。


(本文中、小泉を古泉に修正しました


     



「白状してしまいますと、つまりですね、こういうことです。我々は同じ時間を永遠とループしているのです。さっき朝比奈さんとも話し合ってみたのですが」
 呼べよ。朝比奈さんを。この話し合いに。
 パソコンの画面に、朝比奈さんが登場した。
「『禁則事項』で未来と連絡したり『禁則事項』してるんですけど。くすん。中継ライブで古泉くんとキョンくんが『放送禁止用語』。わたし凄く慌てて録画して『禁則事項』。でも未来に送れなくて……うう。わたしどうしたら……」
「つまり、どういうことだ?」
「エンドレスエイトです」
「それで、何回くらい俺たちは同じ二週間をリプレイしているんだ?」
 画面の中の長門は平気な顔で答えた。
「今回が、一万五千四百九十八回目。一万五千四百九十七回中、あなたが古泉一樹をウケたのが一万二千七百五十六回。セメたのが二百十二回、古泉一樹が分裂したのが七千七百六十五回、そのうち十体以上に分裂したのが五千七百二十三回。兄貴の襲来が二千六十一回、そのうち大群が八百八十回、朝倉涼子復活が二四回、ラブロワイヤル開催が七百四十二回、何かが産またのが十二回、谷口忘れ物が五千四百九十六回、うち修羅場になったのが二千四百七十二回、」
「いや、もういい。すると長門。お前はこの二週間を15498回もずっと体験してきたのか?」
「そう」
「どうして今まで黙っていたんだ?」
「わたしの役割は観測と制作だから」
「……なるほど」

     


 何かおかしい。
 を何度も繰り返して。

 ある日、ハルヒがパソコンの画面に現れた。
 長門に聞くといつも最終日に到達すれば、ハルヒが現れ「やり残したことはないか」みんなに尋ねるそうだ。
「こんな状態に置かれて発見したよ。俺はなんだかんだが言いながら今までの暮らしがけっこう好きだったんだな。アホの谷口や国木田も、ハルヒや長門や朝比奈さんのことも。消えちまった朝倉をそこに含めてもいい」
「……何いってんの?」
 こんな状況に置かれてやっと決心が付いたんだ。
 もう隠すのは止めよう。認めよう。正直に言う。

「ハルヒ。俺は、お前が好きだ」

     



 目が覚めると閉鎖空間だった。

「古泉、ここにいるのは俺とお前だけなのか?」
「そのようですね」
「こんな桃色の世界で、俺は古泉と二人で暮らさなければならないのか?」
「アダムとアダムとアダムムムムムムムムムムムムムム」
 古泉が大量増殖した。

「あーーーーーっ!! おしりがっっ、あーーーーーーーーっ!!!」


     


 目が覚めると閉鎖空間だった。

「古泉、ここにいるのは俺とお前だけなのか?」
「そのようですね」
「こんな桃色の世界で、俺は古泉と二人で暮らさなければならないのか?」
「アダムとアダムですよ」
「ふふふっ、私もいるわ」
「その声は、朝倉か!?」
「あなたを殺して涼宮ハルヒの出方を見る」
「させぬ!」
 古泉の股間から羽が生えた。
「いざゆかん!」
「なにゆえに!」
 朝倉涼子と古泉一樹の死闘は、辛うじて古泉の勝利に終わった。
「げせぬ!」
 朝倉は言い残し、音もなく小さな砂場になった。
 俺はまだ寝ている古泉の脇にかがみ込んだ。
「ういーす」
 ガサツに戸を開けて誰かが入ってきた。
「わわわ、わっすれーも…………! この泥棒ねこ」
「谷口くん!」

     


 画面にハルヒが映っている。
 今日もまたループの最終日だ。
 考えているヒマはない。何か言え。駄目もとで言っちまえ。
「俺、実はポニーテール萌えなんだ」
「なに?」
「いつだったかお前のポニーテールはそりゃもう反則なまでに似合ってたぞ」
「バカじゃないの?」

     


「古泉、ここにいるのは俺とお前だけなのか?」
「そのようですね」

 後でくくった黒髪がちょんまげみたいに突き出していた。ポニーテールには無理がある。それ、ただくくっただけじゃないか。

「古泉」
「なんでしょうか?」
「似合ってるぞ」


 こたえは~~、いつも、わったしのむねに~~~~~~♪

     


 こうして、文化祭までの二週間、数万回と繰り返されたループは終演を迎えた。
 無限の素材を入手した長門の編集で、超監督自画自賛の映画、『忍空』は完成したのである。


 完……けつ。




 なお、その時空改変者は涼宮ハルヒの情報創造能力を最大限利用し、世界を構成する情報を部分的に変化させた。ゆえに改変後の涼宮ハルヒは腐女子になり、キョンはハリウッドオカマスターの道を歩むことになる――


       

表紙

瓦vもすけ 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

Tweet

Neetsha