Neetel Inside ニートノベル
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……おや?速歩き状態の筋骨隆々なイケメンが前にいるではないか。
まさかこいつも……?
僕も速歩きで彼に並ぶ。
じゃっかんリードしてから、僕は追い抜いて全速力で走った。
ふはははは!大便器はもらったぜ!
が、さすがスポーツをやってそうな体だけあってか、イケメンは僕を追い抜いて、正面に立ち、足を払ってきた。
受け身を知らない自分はもちろん転んだ。
糞が!そうまでしてトイレ空きを確保したいか!
転んだ衝撃で先っちょが出るかと思ったじゃないか。
どうせお前みたいなイケメンは女の子から大量にチョコもらってんだろ!
蟻に集(たか)られて死ね!

生徒用トイレに到着したが、満室であった。
もうあかん、漏れそう、漏れ出しそう。
もう小便器にうんこしたろか。
イケメンの頭上からうんこ爆弾したろか。
そうはいっても、前者、後者、共にまずい。
前者は最中に、誰かが入って来られたらまずい。
これではたちまち僕は『うんこマン』という肩書きを得てしまう。
後者は……良くて半殺し、悪くて死、だろう。
このいかりを発散したい僕は「リア充爆発しろ!」と叫んだ。
……無論、リア充には意味などわからないだろうが。
そそくさと2階を後にした。

2階のトイレにまだクサレメガネはいるのだろうか。
すかさず扉をノック。
……よし、いない!
ようやく出せるのかと思ったら強烈な便意がこみ上げてきた。
扉を素早く開け、閉める。
ぬふぅ……!こいつはくせぇ!ゲロ以上の臭いがプンプンするぜぇ!
クサレメガネのうんこ臭がきつ過ぎて吐きそうになる。
もう1階に行くしかない。
間に合うといいのだが……。

そうだ、自己暗示をしよう。
トリビアの種でおそわった方法を実践する。
うんこは腸にとどまるぞ。
うんこは腸にとどまるぞ。
何度も脳内で繰り返しながら、1階トイレを目指した。

現在、僕は1回トイレ扉前に立っていた。
また何か障害があるかもしれない。
ドアを中指の第2関節でノック。
頼む!この先に天国があるんだ!――返事がない。
やった……!やったぞ……!
安心しきったら急に漏れ出しそうになる。
耐えてくれ、僕の肛門括約筋!ここ1度だけ、僕に力を……!
中に入り、しっかりと鍵を閉めた。
よし、あとはやる事は1つだ。

       

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