「あら、これは一体……タダ捨てに見えてしまうのですが」
「これは……あー……見落としてた。ダメですね……どうも、気が抜けてるのかな」
「いや、あの、解説を」
「そうですね、これで先手が勝ち……ましたが、あの、まだ、どうぞ最後まで見て頂いて」
「え、ちょ、ほんとですか? もう少し丁寧に……ああ、読み切っても結果言っちゃダメとかそういうのはこの際気にしなくても大丈夫ですから、どうぞ解説を」
「はあ、失礼しました……あー、でですね、これ、飛車でも金でも、取ったらその瞬間に先手1四角で、どこへ逃げても金で詰みですね。取らずに逃げても、6一銀成に5一銀打から詰みますので」
「あ……ええ、嘘……すごっ……本当だ。タダヤンさんみたいですけど、壁になるのか」
「味方の駒は取れないですからね」
「ですねえ……しかし、これは本当に鮮やか。思わず仕事を忘れて驚いてしまいました」
「でも……島津七段には似合わないですね、なんか」
「え、どういう意味ですか?」
「鮮やか過ぎるので、何となく」
 ――後4二玉、先6一銀不成――