『「さてここだ」
 京極九段が盤を前に呟く。控え室を代表する発言である。
 控え室で主に検討されていた手順は、1五歩4六角で4七金と上がるか、或いは1五歩とせずに6八銀と戻して4六角に4五歩5七銀かという二つ。うち1五歩4七金の変化はやや後手指し易いのではと見られており、6八銀から5七銀ならば手戻しだが形勢としては互角と見られている。
 控え室の人気を聞くと6八銀と戻すが三票(乾、小寺、京極)、1五歩から4七金が三票(小西、島津、吉川)。
 議論を続けていたところ加藤八段がひょっこり顔を出し1五歩から4七金に一票。現地解説の為にやってきた立花姉妹は姉(千代五段)が6八銀、妹(慈乃新四段)は1五歩から4七金を支持した。(続く)』


 ――先1五歩、後4六角、先5七銀、後2四角、先1四歩、後1五歩、先7五歩、後1四香、先7四歩、後同歩、先7六銀――