あるところに少女がいました。
それはそれは可愛らしい少女でした。
少女はその夜、夢をみました。
夢の中で、彼女には自分のオトがとても大きく聞こえました。
無機質なコンクリートの。
お城という名前の牢獄の中で。
少女は自分のオトを聞きながら。
コツ、コツ、コツ。
少女に違うオトが。
一歩、また一歩と近づいてきました。
けれども少女にはそのオトが。
とても怖いものに感じました。
とても不安なものに感じました。
だから少女はそのオトを。
ただ、じっと近づくのを待っていることしかできませんでした。
足音が止まると。
少女は。