Neetel Inside ニートノベル
表紙

コノカノカ
リリシレス

見開き   最大化      

でもさ、私もそう思うんだよね……

ううん、違うと思うよ?
もっと違う、でも貴方が間違っているわけでもない。

正しいことってなに?
本当のことってなに?
悪いことってなに?

つまりはそういうことだと思うんだ。
ん、難しい話。
疲れちゃったね。

……疲れちゃったよ。

少し、私は眠ろうと思うんだ。
うん、昼間のお日様がぽかぽかでね。
起きてるのがさ。

とてもとてもつらいんだ。
だからね。

おやすみ……?

     

ああ、どいつもこいつも。
まったくもってどいつもこいつも。

どうしてそうやっているんだ。
どうしてそうしているんだ。

まったくもってどうしようもないやつらだ。

ああ、イライラする。
憂鬱だ、どうしてこんなところにいなくてはいけない?
私がなにをしたというのだ?

……ああ、そのとおり。
私は文字通り、なにもしなかったんだ。
だが、それとこれとでは話が違うじゃないか。

あまりにも一方的で。
あまりにも無情すぎる。
まったくもって信じられないな。

けれども私は知らないんだよ。
ここから抜け出す方法を。

     

あるところに少女がいました。

それはそれは可愛らしい少女でした。

少女はその夜、夢をみました。
夢の中で、彼女には自分のオトがとても大きく聞こえました。
無機質なコンクリートの。
お城という名前の牢獄の中で。
少女は自分のオトを聞きながら。

コツ、コツ、コツ。
少女に違うオトが。
一歩、また一歩と近づいてきました。
けれども少女にはそのオトが。

とても怖いものに感じました。
とても不安なものに感じました。

だから少女はそのオトを。
ただ、じっと近づくのを待っていることしかできませんでした。

足音が止まると。
少女は。

     

どうしたの?
すごく悲しそうな顔をしているよ?

そうなんだ……

ねぇ、トゥロッポナスのおまじないを知っているかい?
トゥロッポナス、このおまじないはすごいんだ。
なにがすごいのかって?
そうだな、それじゃあ。

君はこれから一言だけ、トゥロッポナスといってごらん?

どうだい?
そうだろそうだろう。

まるで何も変わらない、そのとおりだ。

だからこのおまじないはすごいんだ。
このおまじないは。

何も変わらなくて。
何も考えなくてもいい。

そんなおまじないなんだからね。

       

表紙

柊 こころ 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

Tweet

Neetsha