Neetel Inside 文芸新都
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あなかむじ
インジェクション

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まあ、こんなやり取りがあった後だから 山野さんとの ド ラ イ ブ が、ロマンチックなものでないのは容易に想像がついていたが・・・。まさか、あれほど酷いとは。

夜、ガレージに行くと、もうすでに山野さんのインテグラはガレージ前に止まっていた。
「5分早着、300点減点だね。」
「300?」
「秒計ラリーならね。300秒がそのまま減点」
「早くついたのに?」
「早くても遅くても駄目6時半に来なさいといったはずよ」
「はあ。」
「とりあえず飯ね」
「はあ。」

そういうと、山野さんは、車に乗り込んだ。ボーとしていると。
「早く乗れ」と怒鳴られた
あわてて乗り込むとシートが狭い。
「バケットは初めてなの?」と聞いてきた
「はあ。」
「しばらくすれば慣れるし、ありがたみも分かるわ」
「それから、はあってやめてくれるイラッとくるから。」
「はあ、いや、はいっ」

店に着いた、アメリカンな感じの店だ。
「何にする?」
「ハンバーグ定食で」
「すいませーん、ハンバーグ定食とS定食で。」

店員さんがお盆を二つを持ってきた。
一つは鉄板がジュージューいってるハンバーグ定食

もう一つは、パーティーで見るような大皿にポテト山とハンバーグタワーがそびえ立っていた。

「それ一人分ですか?」
「あんたも食べる?」
「いや、そういう意味じゃなくて」
「あら、こんな美人女子大生とポテトを分け合うなんてロマンチックじゃない?」
もう、僕の心を弄ばないでください。あと美人て自分で言わないでください、否定できないけど。
「あんた、そんな複雑な顔よく出来るわね」
「どころで、先輩なんてインテグラ乗ってるんですか?」
「好きな漫画に出てきたから」
「ああ、あの有名な漫画ですね。擬音ばっかりの」
「そうそう、吸血鬼とか戦争屋とか出てくる」それ、インテグラって人の名前じゃ・・・
「タイムアタックって具体的には何やってるんですか?」
「ジムカーナ」
「じむかあな?」
「そう、ちょっとした舗装の広場みたいな所にパイロン並べて競争するの」
「面白いんですか?」
「それは、人によると思うけど、見るよりはやる方が面白いわね」

       

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