Neetel Inside 文芸新都
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今日の話
福島賢人に聞く、福島の今後

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愚民:
5大賢人と謳われたあなたともあろうお方がなぜ逃げなかったのか。3ヶ月もあれば逃げられたはずだ。

福島賢人:
プライオリティの問題です。一般的に命は何よりも大事ですが
福島賢人会では明日のささやかな生活がのほうが遥かに大事だと判断しました。
もちろんこの決定には法的拘束力はなく逃げたい人を止めるものではありません。

愚民:
つまり自らの意志で逃げずに留まることを選んだと?
たしかに積み上げてきた暮らしを捨て、リセット状態から始めるのは壮絶なことだ。
でも長い目で見たら絶対健康で暮らせたほうがいいに決まってる。

福島賢人:
長期的にはそのとおりです。
ところが人間はパニックになると、視野が狭まり、しばしば短絡的な決断を下してしまう。
子供の将来を考えるときも10年後の健康状態よりも明日いじめられないかを優先に考えてしまう。

愚民:
それに放射能が漂う中、住民の不安は極限に達する。
まともな生活ができるわけがない。

福島賢人:
たしかに放射能の危険性を正しく理解している人間ならば正気ではいられないでしょう。
しかし放射能は眼に見えない様に五感では知覚できないので無視を決め込むことができます。
これまでのように御用学者にもっともらしい事をしゃべらせて放射能は安全だと啓蒙していけば、住民のストレスは軽減されます。

愚民:
短期的には騙せるかもしれない。
でも5年後病気が見つかったときのショックは計り知れない。

福島賢人:
たとえ5年後を境に病人が出るようになっても、人がバタバタと倒れていくのではなく、
病床で緩やかかつ静かに亡くなっていきます。これも無関心を通せば気にならないレベルでしょう。

愚民:
今日は時間が来てしまいました。先生、お忙しい中ありがとうございました。

福島賢人:
どうもありがとうございました。

2011.7.03

       

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