Neetel Inside 文芸新都
表紙

私とお酒の日々
2010/05/07/23:38(金)「後輩と夕食」

見開き   最大化      

 こんばんは。
 千世子です。
 
 
 5月7日。普通の平日ですが、世間は昨日の6日から有休を取って9連休にする人がいるそうです。
 少なくとも私はしない人です。ですが、私の職場はそうする人が多くいます。
 
 今日……まあ昨日からですが、職場はやけに寂しいことになっていました。
 勤務している人は普段の半分ぐらい。しかも比較的静かな人たちばかりで、唯一の音源がたまになる電話ぐらいでした。
 やはりやる気の出ない人が多いのか、うつらうつらしている人がいます……
 まあたしかに……消化試合ですよね。私もあまりやる気は出ません。唯一やる気のありそうなのが、隣の山崎くん(仮名です)ぐらいです。
 
 山崎くんって誰だ? と思う人もいるかもしれません。ですが、すでにブログ内で登場しているんですよ。4月7日の「宴会に物申します」の異動してきた人(私がビールを注いだ相手)です。
 実は私の下でいろいろ仕事をすることになり(初めての後輩ですっ)、それなりに仲も良くなってきたので名前をつけてみました。
 
 紹介はさておき、もともとマジメでそれなりに覚えがいいので、私も調子に乗って作業を与えているわけで……だから私自身ひまだったりするわけで……
 なので他の人たちが見て見ぬフリをしている、めんどうな作業をちょっとずつしていました。そんなとき――
 
 ぺこっ。
 
 おじぎしたわけじゃないですよ? これは社内で使用されているインスタントメッセージ(を表現した擬音語)です。インスタントメッセージとは、わかりやすく言うとすごく簡単なEメールです。
 送り主は……山崎くん。
 
『さっきの作業ですが、そろそろ終わりそうです』
 
 その作業で今日一日を潰してもらう予定でしたが、4時間残して終わらせるとは……
 
『他に作業ないから、あとはダマシダマシ時間を潰しておいて』
『わかりました』
 
 新人と違って良いところは、アバウトに指示してもなんとかしてくれるところです。
 いつもなら、こんな感じで終業までやり取りはないのですが……
 
 ぺこっ。
 
『もし良ければ、晩御飯食べに行きませんか?』
 
「…………………」
 
 夕食のお誘いが来ました。
 自慢するわけではありませんが、学生のころから案外お誘いを受けることがあったりします。
 普段はやんわりと断るところですが、可愛い私の後輩です。何か仕事で悩みがあるのかもしれません。その相談に乗るのも先輩の務め。
 ……すみません、けっこう嬉しがっています。だって、初めての後輩ですから。
 
『大丈夫だよ。どこに行くか決めてる?』
 
 私としては、今日はラーメンすすって、餃子食べながらビールの気分ですが……さすがにそんなことはできません。これでも職場ではキッチリしたところを見せていますからねっ。
 ……どれだけの人が信じてくれるんでしょうか。
 
『今日ランチで行った焼き鳥屋がけっこうおいしかったので、そこにしようと思っています。どこか行きたいところありますか?』
『そこでいいよ(^ー^)』
 
 普段は顔文字とか使っています。ちょっと恥ずかしいですね。
 それよりも焼き鳥屋ですよ!? 焼き鳥と芋焼酎のロックがたまらなく合うんですよねっ。いえ、やはり最初はビールです、やはり。
 ……まあ、そんなことできませんが。
 
 
 
 仕事も終わり、お互い定時ダッシュ(定時になってすぐ退社すること、の意味です)。
 とにもかくにも、頭の中は焼き鳥ですっ。
 
「いまさらですが、焼き鳥とかって大丈夫ですよね?」
「うん、大丈夫だよ」
 
 スズメを頭から食べちゃうぐらい好きなのです。
 案内されて着いたお店は、焼き鳥屋というイメージからかなり外れた、小奇麗なところでした。ジャズなんて流れていました。
 本来はビール⇒芋焼酎ロック⇒芋焼酎ロック⇒以下同じというパターンですが、いつものようにぐっと我慢……! 無難に梅酒を呑んでごまかしごまかし……と思っていた矢先。
 
「とりあえずビールでいいですか?」
 
 あなたが学生時代からの旧友ならそうしてますよっ! 大ジョッキですよ!
 それはできません……逆の立場なら、すごくひきます。
 
「うーん、梅酒にするよ」
「そうですか。なら俺はビールで」
 
 ……うらやましいです。
 しばらくして梅酒とビール、そしてお通しの鶏のカルパッチョがやって来ました。
 このカルパッチョがもうっ……口に入れた瞬間、思考が止まるぐらいおいしかったんです! そこらの洋食屋のカルパッチョじゃ敵わないぐらいの味っ!
 いろいろ考えましたが、どうやっても再現できなさそうです。オリーブオイルだけはわかりました。
 
 その後、注文した焼き鳥盛り合わせとキャベツ(サービスらしいです)、あと塩が4つ来ました。
 店員さんが説明してくれましたが、とりあえずピンク色の塩がおいしかったです(海外のナントカ成分のあるナントカ塩らしいです)。私は普段から塩にはこだわりがありますが、4つから好きに選べるなんて初めてでした。
 それにしてもここの焼き鳥……おいしかったんです!
 ネギマは鶏はもちろん、ネギがとろとろで甘々。
 つくねは肉汁たっぷりで、新鮮な卵の黄身がとっても濃厚。
 ささみは柚子こしょうが乗っていて、ぴりっとしたアクセントがきいています。
 
 そして驚きは……せせりと白レバー!
 せせりは引き締まったお肉の食感と、じわじわ溢れ出す脂身のジューシーさが感動的っ。
 白レバーは、今までの焼き鳥観念をくつがえすような……ボキャブラリーが足りないので言葉にできませんが、とにかくおいしい! としか言えません!
 これでビール⇒芋焼酎ロックがないなんて酷すぎます……!
 
「ここ、本当においしいね」
「気に入ってもらって嬉しいです」
 
 そう言って山崎くんはビールをゴクリ。
 私も思わずごくりっ。
 
「……? ビール、頼みますか?」
「ううん、カクテル系しか呑めないの」
 
 素直さというのは1つの才能ですよね……うう。
 
 
 
 ひたすら焼き鳥の話しか書いていませんが、メインは山崎くんとの交流ですよ?(フォローっぽく感じますよね、自覚しています……)
 何か愚痴でも聞ければ、多少はそれにも触れようかと思っていましたが、今の作業は充実しているみたいです。
 
 単なるお食事会になりましたが、たまには仕事後の交流も大事ですよね。それにしても、焼き鳥がおいしかったです。


       

表紙
Tweet

Neetsha