授業が始まってからもとなりのソイツは俺のことをにらみつけていた
このままじゃ気になってしょうがない
「ねぇ、もう睨むのやめてくれない?」
「……っ!」
俺がお願いしてもやはりやめてくれない…
「ねぇ、そろそろ怒るよ?」
少しきつめに言った
「……怒ればっ?」
あっさりと返されてしまった
でもコイツ今しゃべったよな?
「まぁいいや。ほうっておこう」
キーンコーンカーンコーン
なんて言っているうちに授業が終わった
こんなのがずっと続くのだろうか
少し不安になった
放課後
ひとりであのガレキのやまへ戻るのかと思えば気が重くなる…
「…おいっ!」
アイツが俺を呼びとめた
珍しいな
「…お前アッチの人間なのか?」
アッチ?アッチってなんだよ?
「アッチって何…?」
「…知らんのならいいっ」
「とっ…とりあえず俺んち…があったところ行く?」
あれが俺んちなのかはわからないがとりあえずそういうことにしておく
「…あぁ行く」
ホントにこいつは女らしくないな~
「ついてこい」
こうして俺とコイツは家へと向かった
しばらく歩き俺の家(?)へついた
「ここがアッチへとつながる場所…」
さっきからコイツ何を言ってるんだろうか?
「ねぇ、アッチってなんなの?そろそろ教えてくれたって…?」
「…じゃあ、私をアッチへ連れてってくれる?」
だからアッチってどこなんだよ?
「…実はね…この今私たちがいる世界はね…」
おいおい話が勝手に進んでるぞ
「俺たちがいる世界は…何なんだよ?」
「…この世界は…あなたの夢…なの」
俺の夢?
今俺は俺自身の夢の中にいるってこと?
なにがなんだかわからなくなっていく
「…だから私はあなたの夢の世界から出てみたいの
そして本物の学校に通いたい」
これがコイツが学校で楽しそうじゃない理由なのだろうか?
「アッチに行くにはどうすればいいんだ?」
半信半疑のまま聞いた
「…あなたが夢の世界で目覚めたところ…つまりここでもう一度夢を見るのよ」
夢の中で夢を見る
なんか変な感じだなぁ
だがコイツの夢をかなえてあげたい…という気持ちが
なぜか生まれた
「じゃあ始めるよ…」
こうして俺たちはアッチへ行くことになったのだった
このあと起こるすべてを知らずに…