Neetel Inside ニートノベル
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スゥ…スゥ…
「…起きろ~っ!」
「ぶっ…!?」
千代里に溝打ちされて目が覚めた
「いきなり何しやがる!?」
「…昨日の智のマネしてみようかと…」
「それが正しい起こし方だと思ってるのか!?」
「…違うの?」
俺のせいで間違ったことを覚えてしまったらしい
「すまないな…今度からは大声だけでいいよ」
「…わかった」
「ところで今何時だ?」
「…朝の7時」
「ちょうどいい時間だな」
「…そう、よかった」
ごく普通(?)の会話をしてから俺は聞いた
「そういえば制服とかはどうするんだ?」
「…大丈夫盗んどいたから」
コイツどこから!?
「どっから盗んだんだよ?」
「…学校」
えっ!?
「大丈夫なのか!?」
「…警備員たちの記憶はすり替えたから…たぶん大丈夫」
やっぱり断言はしないのか…!?
「じゃあそろそろ準備しようか」

学校へは二人で一緒に通うことにする
友達にはなんて説明しようか…
なんて考えなくてもいいか
直接記憶に埋め込んでもらえばいいのだから…
少しさびしい気がするな…
「さて…行くとするか」
こうして俺たちは学校への通学路をいくのだった
通学路で親友の若蘆 孟(わかあし たける
に出会った
「お前 この子誰だよ!?」
孟が俺の耳元で言った
「えぇっと…」
俺が答えに詰まっているとき
「…いとこ」
千代里がフォローしてくれた
「智にいとこなんていたっけ?」
孟は疑い深い…
「いたよ。知らなかったの?」
「まあいいや」
やっと信じてくれた?らしい
「…えっと孟くん?っていうんだよね?」
「なっ…なんで俺の名前を知ってるの!?」
あっヤバい…千代里のやつ孟の脳にアクセスしたな?
「お…俺がよく話してたからさ…」
ごまかせたかな?
「どんなことはなしたの~?」
「…最高の友達だと…言ってた」
ナイス千代里!
「へぇ智いいこと言ってくれんじゃ~ん」
これでひとまず孟はクリアだな
こうして俺、千代里、孟の三人で学校へ向かうことになった

三人で信号待ちをしていると―

ドンッ

いきなり背後から俺を強く突き飛ばすように押してきたやつがいたのだ!
「えっ…?」
俺は歩道から車道へと突き飛ばされ宙にいる間に自分の方向へまっすぐクラクションを鳴らしながら突っ込んでくる車をただ見ていた
"俺は死ぬのか?せっかく帰ってこれたのに…?"
「…智!」
そばで千代里の声がした
「…智を死なせたりはしない!」
「千代里!?」
「…智が死んだら私が消えてしまう」
「そんな理由かよ!?」
「…智目つぶってて」
言われるままに目を閉じた
体に衝撃が伝わった
だがそれほど痛くはなかった
「…智目開けていいよ」
恐る恐る目を開けた
「こ…これは!?」

俺の目の前にあるその光景は…

「く…車が!?」
何と車が真っ二つになり
俺をよけるかのように止まっているのだ
「…いったでしょ?あなたを死なせはしないって」
「で…でもどうやって?」
「…これが記憶の断絶っていうやつよ」
「き…記憶断絶?」
「…そう 記憶を断ち切ってこの世のものを壊す」
わけがわからない…
「…つまり記憶を使った攻撃手段」
「攻撃手段って…何かと戦うわけ?」
「…コッチ…つまり智の記憶から私を追ってきているやつがいる」
「おってきている?」
「あの~お二人さん?」
話に入れず困っている孟がいた
「あっ孟ごめん忘れてた」
「…私も」
「ひどいな~二人とも」
こんな3人の会話を影で見ていたヤツがいた
「あれがアッチとコッチを結ぶ者か…」
ヤツは言い終えると路地裏に消えた

信号での無駄な時間もあってか俺達3人は遅刻した

「あぁ~あ お前が事故にあいそうになるからいけないんだよ」
「ごめん」
「…ごめん」
俺が悪いのに千代里も謝った
「なんで千代里さんが謝るの?」
「…なんとなく」
「変なの~」

「コラ~!廊下で騒ぐな~!!」
俺たちが会話をしていたら先生が怒ってしまった

このあとから俺達3人のあだ名は「ガキンチョ3人」
となってしまった
だが別に嫌ではない
なんとなく気にいっている

これからの長い戦いの前の最後の楽しい時間だった

       

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