Neetel Inside ニートノベル
表紙

Lock at time
第一章(完結

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まぶしい朝日

心地いいそよ風

鳥の鳴き声

それは毎日のように繰り返されてきた「朝」である

だが、今日の「朝」はいつもとは違かった

俺が起きたそこは-
ガレキに囲まれた家があっただろうところだった…
「えっ…え…ぇ…えぇえええぇ……っ!?」
正気を失い
どうにか落ち着こうと…
これは夢だと思うために静かに目を閉じて深呼吸をした

もう一度目を開いた

「………。」
やはり目の前に広がるのはガレキの山だった…
でもどうしてこうなってしまったのだろう…?
ふと思いついた
「そっか、携帯で友達に…」
とっさにポケットから携帯を取り出した

「けっ圏外!?」
そこは確か電波がとてもいい場所だったはずなのに
どうして?

携帯も使えない
ここがどこなのか曖昧
無事戻れるかもわからない

こういうのを『絶対絶命』って言うんじゃないのか!?
あぁ、イエス様~
一生のお願いです
どうか…どうか救いの手を…

「あのぅ…あなたこんなところにいたら危ないですよ…」
横からの忠告…
「だっ…だれ…っ?」
急だったのでカミカミ(汗)だった
「僕は、迎え人。君を迎えにきたんだよ」
「迎え人?なんだそれ?」
「記憶立脳波学院の使いです。」
「脳波学院?」
「君は昨日どんな夢をみた?」
夢?夢?夢?
記憶の中を整理する
だが…なにも思い出せない
「覚えてない…」
「そうですか…。あっ別にたいしたことではないので深く考えないでくださいね」
こういわれたので俺は深く考えないことにする
「は…はい」
謎の迎え人に連れられて俺は記憶立脳波学院へと向かっている
学院というのだからきっと勉強をするところなのだろう
校門の前についた
「でけぇ…」
俺の身長の6倍はあろうかという巨大な門だった


そのころ俺の転入するクラスでは…


「今日、新しい人が来るんだって~!」
「えっ、うそ~!イケメン?」
「噂ではアッチから来たらしいよ」
「アッチってあの……のこと?」
「そうだよ アッチから来る人なんて珍しいよね」
クラスのあちらこちらで転校生の話題が出ていた

「はーい!皆さん おわかりかとおもいますが
今日はなんとこのクラスに転校生がきまーす!」
先生らしき人の声を俺は教室の前の廊下で聞いていた
「さっ、入ってきて~」

ガラガラッ

シ――――――ン

「あれが転校生?」
「イメージと違~う」
「これがイケメン?」
一瞬の沈黙の後
クラス中が一斉にヒソヒソと言い始めた
俺は思った
"俺って何?"
「さああなた自己紹介してっ」
先生にそう言われて簡単な自己紹介を考えた
「えぇっと… はしかわ…梁川…と‥智己です」
名乗りしかしなかった
「じゃあ梁川君の席は―」
先生が指差した先はさっきおれのことを「これがイケメン」と言っていた二つしばりの女子の隣の席だった
よりによってあの人の隣かよ…
「よ…よろしく」
とりあえず挨拶をした
「……っ!」
その女子は俺を威嚇しているかのような目つきで見つめるだけだった

     

授業が始まってからもとなりのソイツは俺のことをにらみつけていた
このままじゃ気になってしょうがない
「ねぇ、もう睨むのやめてくれない?」
「……っ!」
俺がお願いしてもやはりやめてくれない…
「ねぇ、そろそろ怒るよ?」
少しきつめに言った
「……怒ればっ?」
あっさりと返されてしまった
でもコイツ今しゃべったよな?
「まぁいいや。ほうっておこう」

キーンコーンカーンコーン

なんて言っているうちに授業が終わった
こんなのがずっと続くのだろうか
少し不安になった

放課後

ひとりであのガレキのやまへ戻るのかと思えば気が重くなる…
「…おいっ!」
アイツが俺を呼びとめた
珍しいな
「…お前アッチの人間なのか?」
アッチ?アッチってなんだよ?
「アッチって何…?」
「…知らんのならいいっ」
「とっ…とりあえず俺んち…があったところ行く?」
あれが俺んちなのかはわからないがとりあえずそういうことにしておく
「…あぁ行く」
ホントにこいつは女らしくないな~
「ついてこい」

こうして俺とコイツは家へと向かった

しばらく歩き俺の家(?)へついた

「ここがアッチへとつながる場所…」
さっきからコイツ何を言ってるんだろうか?
「ねぇ、アッチってなんなの?そろそろ教えてくれたって…?」
「…じゃあ、私をアッチへ連れてってくれる?」
だからアッチってどこなんだよ?
「…実はね…この今私たちがいる世界はね…」
おいおい話が勝手に進んでるぞ
「俺たちがいる世界は…何なんだよ?」
「…この世界は…あなたの夢…なの」
俺の夢?
今俺は俺自身の夢の中にいるってこと?
なにがなんだかわからなくなっていく
「…だから私はあなたの夢の世界から出てみたいの
そして本物の学校に通いたい」
これがコイツが学校で楽しそうじゃない理由なのだろうか?
「アッチに行くにはどうすればいいんだ?」
半信半疑のまま聞いた
「…あなたが夢の世界で目覚めたところ…つまりここでもう一度夢を見るのよ」
夢の中で夢を見る
なんか変な感じだなぁ
だがコイツの夢をかなえてあげたい…という気持ちが
なぜか生まれた
「じゃあ始めるよ…」

こうして俺たちはアッチへ行くことになったのだった
このあと起こるすべてを知らずに…

     

目が覚めた
気分は…かなり悪い
あたりを見回した
アイツは横でぐっすりと寝ていた
そこはガレキのやまではなかった
そう俺の部屋
「帰ってこれたんだな…」
自然に言葉がでた
さてそろそろコイツを起こすとするか…
「おい起きろっ!」
呼びかけながら体をゆすっても起きる気配はない
ちょっと手荒なまねはしたくないが…
軽く溝打ちをしてみた
「…ぶっ!」
「起きろ!」
「…気持ち悪い…」
「すまんすまん。なかなか起きないから…つい…」
「…でも痛いのは嫌いだ」
俺たちこんなによく話せてたか?
なんか話しやすくなってるような気がするんだが…
あって半日しかたってないんだぞ
なんとなく気分が楽になった
ちょっとだけ自分の気持ちに気づいてきた…
「これからどうしようか?」
「…ここに住んじゃ駄目なの?」
「えっでも俺の親とかにはどういえば?」
「…大丈夫脳に直接アクセスしてすり替えておくから」
「そんなことできんの!?」
「…一応記憶の中の人だからね」
「てか名前とか聞いてなかったよね?」
「…記憶の中での名前は錦野 千代里」
少しコイツのことわかってきたかな
今度からはコイツなどと呼ばずにちゃんと千代里と呼ぶことにしよう

その後一階に下りて母に千代里のことを話したが
なにも疑われなかった

「ねぇ千代里…明日から俺は学校だけど…どうする?」
「…どうするもなにも一緒に学校いくに決まってるでしょ」
はっきり言われた
こんなにもあっさりと千代里の夢が叶うなんて

「じゃあ明日、転入手続きして同じクラスになるように言ってみようか?」
「…いや、すでに済んでいる…」
千代里は俺が言う前に先生の脳にアクセスしていた
「なんか勝手にアクセスして大丈夫なのか?」
「…問題ない.....たぶん」
そこは断言してもらわなきゃ困る!
「俺の脳にもアクセスしたことあるのか?」
おそるおそる聞いてみた
「…智の脳にはアクセスできない」
いきなり智などと呼ばれて驚いた
「どうして?」
「…智の脳内で生まれた私たちはあなたの脳にアクセスすると記憶から消え去り、いなかったことにされる」
俺って重要なのか…?
それにしてもまさかコイ…いや、千代里が俺のことを智と呼ぶなんて…
「…ねえ今日はもう寝ない?」
コイツ…まだ寝れるのか!?
「お…俺も寝る!」
明日は大変な一日になるだろう
だが楽しいかもしれない
今日はゆっくりと休もう
楽しい夢を見ながら…

     

スゥ…スゥ…
「…起きろ~っ!」
「ぶっ…!?」
千代里に溝打ちされて目が覚めた
「いきなり何しやがる!?」
「…昨日の智のマネしてみようかと…」
「それが正しい起こし方だと思ってるのか!?」
「…違うの?」
俺のせいで間違ったことを覚えてしまったらしい
「すまないな…今度からは大声だけでいいよ」
「…わかった」
「ところで今何時だ?」
「…朝の7時」
「ちょうどいい時間だな」
「…そう、よかった」
ごく普通(?)の会話をしてから俺は聞いた
「そういえば制服とかはどうするんだ?」
「…大丈夫盗んどいたから」
コイツどこから!?
「どっから盗んだんだよ?」
「…学校」
えっ!?
「大丈夫なのか!?」
「…警備員たちの記憶はすり替えたから…たぶん大丈夫」
やっぱり断言はしないのか…!?
「じゃあそろそろ準備しようか」

学校へは二人で一緒に通うことにする
友達にはなんて説明しようか…
なんて考えなくてもいいか
直接記憶に埋め込んでもらえばいいのだから…
少しさびしい気がするな…
「さて…行くとするか」
こうして俺たちは学校への通学路をいくのだった
通学路で親友の若蘆 孟(わかあし たける
に出会った
「お前 この子誰だよ!?」
孟が俺の耳元で言った
「えぇっと…」
俺が答えに詰まっているとき
「…いとこ」
千代里がフォローしてくれた
「智にいとこなんていたっけ?」
孟は疑い深い…
「いたよ。知らなかったの?」
「まあいいや」
やっと信じてくれた?らしい
「…えっと孟くん?っていうんだよね?」
「なっ…なんで俺の名前を知ってるの!?」
あっヤバい…千代里のやつ孟の脳にアクセスしたな?
「お…俺がよく話してたからさ…」
ごまかせたかな?
「どんなことはなしたの~?」
「…最高の友達だと…言ってた」
ナイス千代里!
「へぇ智いいこと言ってくれんじゃ~ん」
これでひとまず孟はクリアだな
こうして俺、千代里、孟の三人で学校へ向かうことになった

三人で信号待ちをしていると―

ドンッ

いきなり背後から俺を強く突き飛ばすように押してきたやつがいたのだ!
「えっ…?」
俺は歩道から車道へと突き飛ばされ宙にいる間に自分の方向へまっすぐクラクションを鳴らしながら突っ込んでくる車をただ見ていた
"俺は死ぬのか?せっかく帰ってこれたのに…?"
「…智!」
そばで千代里の声がした
「…智を死なせたりはしない!」
「千代里!?」
「…智が死んだら私が消えてしまう」
「そんな理由かよ!?」
「…智目つぶってて」
言われるままに目を閉じた
体に衝撃が伝わった
だがそれほど痛くはなかった
「…智目開けていいよ」
恐る恐る目を開けた
「こ…これは!?」

俺の目の前にあるその光景は…

「く…車が!?」
何と車が真っ二つになり
俺をよけるかのように止まっているのだ
「…いったでしょ?あなたを死なせはしないって」
「で…でもどうやって?」
「…これが記憶の断絶っていうやつよ」
「き…記憶断絶?」
「…そう 記憶を断ち切ってこの世のものを壊す」
わけがわからない…
「…つまり記憶を使った攻撃手段」
「攻撃手段って…何かと戦うわけ?」
「…コッチ…つまり智の記憶から私を追ってきているやつがいる」
「おってきている?」
「あの~お二人さん?」
話に入れず困っている孟がいた
「あっ孟ごめん忘れてた」
「…私も」
「ひどいな~二人とも」
こんな3人の会話を影で見ていたヤツがいた
「あれがアッチとコッチを結ぶ者か…」
ヤツは言い終えると路地裏に消えた

信号での無駄な時間もあってか俺達3人は遅刻した

「あぁ~あ お前が事故にあいそうになるからいけないんだよ」
「ごめん」
「…ごめん」
俺が悪いのに千代里も謝った
「なんで千代里さんが謝るの?」
「…なんとなく」
「変なの~」

「コラ~!廊下で騒ぐな~!!」
俺たちが会話をしていたら先生が怒ってしまった

このあとから俺達3人のあだ名は「ガキンチョ3人」
となってしまった
だが別に嫌ではない
なんとなく気にいっている

これからの長い戦いの前の最後の楽しい時間だった

     

この日の授業も終わり俺たちは3人で帰っていた

「ねえ智と千代里さんって仲いいよね」
孟にそう言われて俺と千代里は立ち止った
「…そうかな?」「そう?」
俺たちは同じような感じで聞き返した
「ほら、息ぴったりだし」
「別に…」「…別に」
「ほら、また~。てか千代里さんって智の家に住んでるの?」

やばい…
「…住んでるよ。一緒に」
「えっ!?マジで住んでんの!?」
「なんでそんなに俺たちのこと聞くんだよ」
俺はちょっと強めに言った
「だってさ~智が千代里さんと一緒にいると―」
「いると…?」

「邪魔なんだよね」

「っ!?」
孟の目つきが変わった
この目は俺が千代里に初めて会ったときのあの威嚇したような目だった
「…智!こいつが追手だ!」
「えっ…孟が千代里を追ってきたやつなのか!?」
「…こいつは孟の姿をした智の記憶だ!」

《さあ千代里…帰ろう…》

こいつ!俺たちの脳に直接話しかけてきているのか!?

《所詮は記憶だからな…》
「…オマエ、誰に頼まれた?」
《さぁな!貴様に教える意味はない…》

「…智また目閉じてくれる?」
「『記憶断絶』をするの?」
「…あぁ」
俺は確認すると目を閉じた

「…はあああああああああっ!!」
静かに戦いの幕が開けた

目を閉じているのでよくはわからないが
まぶしい光と雷鳴のようなすごい音

「…智目開けて」
やっと終わったのだろうか…?
目を開けると
孟はいなかった
「倒したのか?」
「…いや、逃げた」
逃げたのかよ!?
「…だが必ずもう一度私たちに接触してくるはずだ」
「珍しく断言したな」
「…あいつは私をつれて帰ろうとしてた。それが使命だからな。使命を果たすまではしつこく襲ってくるだろう」
敵も簡単にはあきらめないってわけか

「…でも安心して。智は私が守るから」
女の子にこんなことを言われるなんて
情けない

守られるのではない
守らなきゃいけないんだ!

俺は誓った

--その日の夢--

「消えていく…俺の記憶が消えていく…!?」
「…落ち着いて!智の記憶は消えない!」
・・・・・


「…すぅっ」
「…起きろーっ!!」
「うあぁっ!?」
いきなり耳元で大声がしたので跳び起きた
「まったく…気分の悪い目覚め方だ…」
「…智がやれっていったんじゃん」
そういえばそうだった
「今何時?」
「…7時1分と13秒」
「まぁまぁな時間だな」
今日もいつも通りの朝だった
そして学校へと向かう
まさかまた孟に襲われるのでは?
だが孟とは出会わなかった
ホッとした

「うっ…」
突如激しい頭痛が頭を襲った
体の力が抜け
崩れ落ちる

「ち…より…」
必死に呼んだが千代里は気づいていない

…チヨリ?
誰だっけ?
「き…記憶が…き…えていく…!?」
きっと孟の姿をしたあいつが
自らを犠牲にし
俺の脳へアクセスしているのだろう…

アクセス?

そもそも俺って?

なにもかもが消えていく

     

ようやく千代里が俺の異変に気づいた
「…智!?」
「アナタハ、ダレ?」
「…そう...強制アクセスされたのね…」
少しずつ千代里の体が透けてきた
「…あなたとももうおわかれなのね…」
「………」
俺は何も言うことができず千代里が一人で語りかける形になっている
「…それじゃあ私はもう行くね…
私……」

「…智のこと好きだったんだよ」

「………」
言い終えると千代里の体が肉眼で確認できるぎりぎりまで消えてしまった
宙で一粒の涙が光る

戦いは終わったのだろうか?
千代里は記憶から消え
また孟も俺の脳にアクセスしたため
消えるのか?
もういなくなるのか?
俺の親しい人たち
全ては俺の脳の奥に封印されてしまう...
チヨリ?
チヨリとはちよりであり千代里…
「....千代里~!!」
俺が目を覚ましたのは
いつも千代里が大声や溝打ちで起こしてくれた
俺の部屋のベットの上

「...俺は…俺は思い出したんだぞ…!?
千代里を思い出したのに…!」

俺は無理に思う
これはいつもと変わらない日常
前と同じに戻ったんだ
ただ千代里と孟がいないだけ…

涙が自然にわき出てきた

だが学校へは行かなくてはいけない
俺は一人で思い出を脳裏に浮かべながら通学路を行くのだった

楽しい日々
辛い戦い
その中の休息

思い浮かべるときりがない

時間が過ぎるのは早かった
気がつくと校門の前だった
「あれ?この校門前にどこかで…」
高さは俺の身長の6倍はあった
「こ…ここは!脳波学園!?」
俺は思い出した記憶をたどりすぎて
コッチへ来てしまったらしい
とりあえず教室へ行ってみることにする

ガラガラッ

「…智」
「えっ?」
俺は一度目の前にある光景を疑った
「…おはよう、智」
なんと千代里が平然と席につき
俺に挨拶してきたのだ
「ち…千代里!?」
「…何驚いてんの?智が私を思い出したから記憶にいるのは当たり前でしょ?」
「そっそうだけ…」
言いかけで止まった
千代里と目が合ってしまったのだ
今の千代里の目はあの時の威嚇する目とは違かった
「…あのっ」「えっと」
二人で同時に言った
「…智からでいいよ」
「千代里から」
「…もう一度―」
「あぁ…行こう!アッチへ!」

俺たちに記憶と現実の壁なんてない
関係は続くのだ


第一章 完

       

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鬼織 [website] 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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Neetsha