Neetel Inside ニートノベル
表紙

〜あなひだ・わたみぎ〜

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***ヒカリ:チャット@自宅パソ なう***


ピカりん☆: こんばんみー、ピカだよん。アキノちゃんいる?


アキノ がログインしました。


アキノ: なんだよチャットで聞きたいことって

ピカりん☆: そりゃーもちろんおつきあいの首尾よん。どうよ?

アキノ: お付き合いって別に何もねーよ

ピカりん☆: だあから~らぶらぶ通信の首尾さあ

アキノ: お前どっからそういうくそ恥ずかしい用語が沸いてくんだよ
別にフツーだよ

ピカりん☆: なにはなしたの?

アキノ: だからミサの周辺状況のうち当たり障りないこととお前とでっち上げた俺の身の上

ピカりん☆: ほかには?

アキノ: ねーよ

ピカりん☆: 愛の告白は?

アキノ: あるわけねーだろ

ピカりん☆: え~~

アキノ: つか『ほぼ一日全身不随しかも身体はオンナ』て設定のヤローに恋するってありえないだろマジ

ピカりん☆: ミサはホンキだよ

アキノ: まさか

ピカりん☆: ホントだよ! 泣かれちゃったよ『アキノに会いたい』って!!

アキノ: どうすればいいんだ

ピカりん☆: ばらすしかないかも
“アキノちゃんの身の上”を信じられたミサならなんとか……

アキノ: 考えさせてくれ
それで今の関係が破綻したら、俺は耐えられないかも知れない
明日またこの時間話せるか

ピカりん☆: もちろん!

アキノ: TNXんじゃオチるわ

ピカりん☆: ラジャv


 アキノ がログアウトしました。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 あたしはどっとため息をついていた。
 正直、誤算だった。
 かれらのことも。あたしのことも。
 でも、いちど踏み出してしまった道だ。もはやこのままいくしか、ない。


 この直後、あたしたちは約束した。
 ふたりで、ひとつの作品をつくることを。
 タイトルは――


       

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