アジトに着くと見慣れない面々が並んでいた。
今回の仕事に抜擢されたメンバーだろう。
あいてる椅子に腰掛けると隣の人が話しかけてきた。
「俺はよくお前くらいの年のヤツと仕事を組むんだがなぁ・・・
そういう若いのと組むとなぁ、大抵そいつはここへは帰って来ない。」
その人は立ち上がり僕の肩を掴みながら続けていった。
「わかるか?死ぬんだよ!」
そう言い終えるとその人は僕に殴りかかってきた。
僕はそれを避けて後ろに回り込んだ。
周りにいる人たちはこちらを見ているだけで一切手出しも口出しもしない。
むしろあえて戦わせて僕らの力量を見定めているような・・・とか考えていた時。
「そいつは力の使いすぎで自分をダメにしちまったヤツだ。」
その声が聞こえた瞬間僕に殴りかかってきた男は壁まで吹っ飛びそのまま壁にはりつけ状態になった。
「相変わらずやっかいごとに巻き込まれやすいみたいだな、お前は。」
声のするほうを向くと、そこには僕の仲間がいた。
「ジュード!」
思わず叫んだのはとても久しぶりだったということと、そしてちゃんと再開できたということ。
彼はジュード・マクウェル。
僕が初めてこの職業に就いて仕事をした時に色々と助けてもらった。
「久しぶりだな、カノンもこの仕事に呼ばれたのか?」
「そうなんだ、でも・・・内容がアバウト過ぎて。」
二人で軽く笑った。
「まぁ、その内容も今から話してもらえるみたいだぜ」
ジュードが指差したのは入り口の扉。
そこから入ってきたのはボスだった。
その瞬間、場の空気が変わる。
流石ボスだ。
存在だけでここにいる全員を黙らせる。
そしてボスが口を開いた。
「おいっすー」
その瞬間、場の空気が緩んだ。
久々だったから忘れてたけど、そういえばこういうノリの人だったなぁ。
ジュードと顔をあわせて軽く笑った後、僕たちも席に着いた。
「ん?その壁に貼付けになってる彼はどうしたんだい?」
ジュードは「ヤベェ」というような表情を浮かべながらこっちを向いた。
ボスは壁に貼付けになっている男のところまで行くと。
「あー・・・こりゃダメだな。」
と言った後。
「力の使いすぎでダメになっちまってる。」
と瞬時に見極めた。
「まぁ彼はとりあえずほっておいて
楽しいお仕事の話しようか」