Neetel Inside ニートノベル
表紙

見開き   最大化      

 最終回。
 ついにあの変態共から解放される記念すべき日。
 僕が一体どれだけこの日を待ち望んでいた事だろうか。
 変態共に弄られる日々。
 実に辛い思いでだ。
 何度死にたいと思ったか。
 何度神様に文句を言ったか。
 
 でも、それも今日で全てが終わる。
 最終回だから。
 えっ? かなりのメタ発言だって?
 そんなのはどうでもいいんだよ。
 だって、もう女装しなくて済むんだから♪
 だから、メタ発言なんてものは些細な事なんだよ。
 ああ。ほんと、普通の姿でいるのがこんなにも素敵な事だとは思わなかったよ。
 最終回、最高!


 ――て、いう夢を見たんだ。
 何であれが夢なのだろうか? 別に現実の出来ごとでもいいじゃないか。
 だからお願いだから百瀬さん――

「その服だけは勘弁して下さい」
 その明らかに布の面積の小さい衣装を僕に着せようとするのだけは勘弁して下さい。
 それを着たら本気で、洒落になりません。
 てか、猥褻物陳列罪で捕まってしまう。
 だからそれだけは勘弁を……
「私が止めると思う?」
「は、はは……」
 一ミリも思いませんね。
「覚悟しなさい」
「あーーーーーーーーっ!?」


 ――また夢を見たんです。
 実に最悪な夢でした。
 でも同時に夢でよかったと思います。
 あれが夢じゃなかったら僕は人として完全に終わっていたでしょう。
 そう僕の現実は、スカートを穿いてクラスの変態共に写真を撮られて――
「違う! こんなのは僕の現実じゃない!」
「何を言ってるんだ? これがお前の現実だよ」
「う、嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 ――ええ。夢でした。
 また夢ですよ。てか、僕は一体どれだけ連続で夢を見ているんだろうか?
 もしかしたら、この夢から覚める事がないのでは? と思ってしまうほどだ。
 一体、この仕打ちはなんなのだろうか?
 
『それはね。最終回だからやりたい放題やっているのさ』
「え……?」
『最初からメタ発言があるから、言ってしまうけど、今回は最終回でありながら完全ノープラン
なんだよ。だからオチも無いし、終わり方も分からないんだ』
「ちょっ、それってマズイでしょ!」
『うん、そうだね。仕方ないね』
「いや、諦めるなよ!」
『ごめん。もう無理だ。これが限界なんだよ少年……』
「ま、マジかよ。じゃ、じゃぁ、最後に一つだけ答えてよ」
『何だい?』
「何で毎回僕に女装させるようなネタばっかり書いてるんだよ!?」
『……なんとなく?』
「なんとなくかよ! てか、マジでふざけんなよ!」
『はは……気にするな少年。ではさらばだ。そして話も終わりだよ』
「う、うわぁ……本気で終わらせるつもりだよ」
 まぁ、終わりなら別に終わりでもいいんだけどね。割と本気で。

 じゃぁ、みんなバイバイ。

       

表紙
Tweet

Neetsha