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「キューピー三分クッキング」

テレレッテッテッテッテ テレレッテッテッテッテ―
テレテッテッテッテッテッテッテッテーッテッテー

テレレッテッテ― テレレッテッテ―


「前回の折、番組側の不手際で番組が途中で中断してしまったことを、お詫び申し上げます。まことに申し訳ありませんでした。」

「今日の三分クッキングは、孫悟空さんのお料理でお送りいたします」

ワーワー パチパチパチ ヒュー ワー パチパチ…

悟空  「オッス、オラ悟空!よろしくな!」

ワーワー パチパチパチ ヒュー ヒュー ワー ワー パチパチパチ…

ベジータ(くそったれ…俺の時にはあんな拍手など誰もしていなかったんだぞ…カカロットのヤローめ…)

悟空  (あれ?何でベジータがあんなとこに居るんだ?・・・まあいっか)

悟空  「そいじゃ、オラが今から作る料理の材料を説明するからな。みんな、よく聞いてくれよな!」



    ・本格冷凍クイックパスタ  1つ
    ・キャベツ         1/4玉
    ・にんじん         半分
    ・気            少量


ベジータ「生野菜だと?あんなものを一体どうするつもりだ?」

    「…フン。みせてもらうぞカカロット…」

悟空  「んじゃあ、はじめようか。まずはこれを取り出して、と」

     バリバリ 

悟空  「この電子レンジ――?っつー箱に入れて…ニ分だ。
     このときに注意してもらいてえ事がある。オラも前にこれを使ってたことがあったんだけど、うっかりと力が入りすぎてスイッチぶっ潰して使い物にならなくなっちまったことがある。だからみんなも、くれぐれも気をつけるようにな!」

ベジータ(こ、こいつ…!この前のアレは貴様の仕業だったのか―!!おかげでなぜかこの俺が身に覚えの無いことでブルマにこっぴどく叱られたんだぞ!!分かっているのか、カカロット!!)

悟空  (ん?ベジータがこっち睨んでやがる…どうしたんだ?腹でもいてえのかな…)

    「今度はよく注意して…そーっと―そーっと―」
 
     ピッ ピッ ピッ  ブオーン

悟空  「おっし!上手くいったな。よかったよかった」

    「じゃあ次は野菜だ!オラハここでは指を使うけど、みんなは普通に包丁を使うようにな!」

     スッ

悟空  (神経を研ぎ澄まして、もっと気を鋭く――もっとだ――よし!)

     ストン ストン ストン ストン

悟空  「にんじん終わり!次はキャベツだな。よし、行くぞ!」

     ストトトトトトトトト トトトトト…… ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

ベジータ「あ、あのバカ…何やってやがる!キッチン台が…」

悟空  「ハッ!いけねえ、つい夢中になりすぎちまった。あははは…」

    「ま、まあいいさ。気ぃ取り直して切ったにんじんと…キャベツをボウルに入れて…」

     ピッ ピッ ピッ ピッ ピッ  

悟空  「お、ちょうどいいや。向こうも出来上がったみてえだ。よし、パスタをさらに盛る・・・」

     ドサッ

悟空  「その上に切った野菜を乗せて…出来上がりだ!」

     チッ チッ チッ チッ ピー

「はい、三分経過いたしましたー」

悟空  「おう、もう出来てるぞ。で、誰が食うんだ?ピッコロか?ベジータか?」

「それでは、孫悟空さんの料理を召し上がっていただくのは…

 ベジータさんの元部下、ナッパさんです!!」

ベジータ 「な、なんだと・・・」

ナッパ  「……」
    
      スタスタスタ

悟空   「おろ?あいつぁ確か地球に初めて来たときのベジータの隣にいたやつじゃ…」

ナッパ  「……」

「それではナッパさん、どうぞ!」

ナッパ  「…いただくぜ」

      スッ スルスル ズー ズー スルスル……

ベジータ「あいつ…食い方が上品になってやがる…」

悟空  「どうだ?…えーっと…  うめえだろ?」

ナッパ 「……」

     フルフル

悟空  「…?」

ベジータ「…?」

ナッパ 「うまいッ」

     テレッテテー

「おっと、ナッパさんの頭が輝き始めました…一体どういう現象でしょうか?」

ナッパ 「フッ。ようやくうめえもんが食えたぜ。俺は今最高に幸せだ。これでやっと成仏できる。
     
     感謝するぜ、地球人。今度お前が死んだとき、またこのパスタを――」

     シュン

悟空  「…消えちまった?いってえどういう事なんだ?」

    「まあ、あいつもうめえって言ってたし。よかったよかった!」

ベジータ「……」

「ありがとうございました。それでは今回の三分クッキングを終…」

ベジータ「カカロットォォォォォォォ!!」

     ゴウッ シュインシュインシュインシュイン

ベジータ「貴様ァ!!よくも俺のうちのレンジを壊してくれたなァ!!」

悟空  「げっ!!や、やべえ…」
     
     ゴウッ シュインシュインシュインシュイン

ベジータ「絶対に許さんぞ!!覚悟しろ!!

     喰らえ!ビック・バン・アタァァァァァック!!」

悟空  「バイバイみんな…」

     ビッ

     ズァオ カッ





ザ―――――――――――――――――――――


終わり

       

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