Neetel Inside ニートノベル
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ニーノベ三題噺企画会場
お題①/神顕現/うのじ

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ある日、目の前に神様があらわれた。もしかしたら死神だか貧乏神なのかも知れないけど、とにかく神様。ちなみに、厳密に言うと、現れたのはついさっき。場所は掃除用具入れの目の前で、掃除やりたくないなー、でもやらないと怒られるし、なんか示しもつかないしなー、やらないで色々デメリット蒙るのもやだなー、と数秒間…えーとなんだっけ、心中?集中?春秋…じゃなくて…ああ、それ、逡巡してたのさ。そしたら急にこいつが現れたわけだ。この神様、何が好きなんだろうなあ、私宗教とかわからないけど、そういうのに詳しかったらか何が得意とか好きな食べ物は冷凍みかんとかまできっと分かるんだろうなぁ、なんて思って、あれかなー、実は悪魔とかだったら魂とられるのかなー、神様だから平気だよね、一応ホラ、呼び捨てにしないで神様、って様つけてるし、みたいなこと考えててね、まあでも一応これでも警戒しててね、一言一句聞き逃してなるものかー、みたいな気分で掃除用具入れの前で佇んでいたら、神様の第一声、まさかの「逡巡」。いやー、まさかさっきの詰まり言葉へのヘルプが神様発言第一号とは思わなかったから、これはもう衝撃の展開。どうしよう、”逡巡のふみ子”とか二つ名ついちゃったりしたら。一見凄そうだけどよく見ると優柔不断!殺人現場で右往左往!…なんだか凄くあたしらしい気もするけど、第一あたしふみ子じゃないし、いろんな意味で困る。…っと、うっかりここで助けて神様とか言っちゃいけないんだゼ!危ない危ない、罠にかかるとこだった。その危機を潜り抜けたあたしは思うのですよ。神様と出会ったこの奇跡、簡単に逃してなるものかっ!と…気合を入れるにはちょっと勢いが足りないようなので、とりあえず自在ボウキを取り出すあたし。これは引きずって散歩しているだけでなぜか掃除をしたという扱いになる魔法の杖。このマジックアイテムの力を借りて…ちょっと神様待っててね、あたしノルマ果たしてくるから。よーし、ここはひとつ、ちょいやる気モード。机動かして、ホウキでゴミ集めて、廊下に向かってグッバイジョニー。うん、これ以上のことはちょーやる気モードの誰か頼んだ。あ、神様まだ待っててくれたのね。うん、願いを聞いてくれてアリガト。それじゃ5時間目までの間どっか遊びにいかない?

       

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