Neetel Inside ニートノベル
表紙

マジカルお姉さん
マジカルお姉さん始動

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 ――○○町にて下校中の女児に話しかける不審者が現れているそうです。
 警察は○○町の警戒を強めると同時に女児及び、保護者への注意の呼びかけを行っております。
 
 
「また子供を狙った変態共が出てきたわね……」
 純真無垢で穢れを知らない子供……特に幼女を狙う変態達。
 被害を受けるのは子供達ばかり。
 誰かがこの不幸の連鎖を止めないければ……
 でも、誰が止める? 警察? 警察は無能だから期待出来ないわ。
 だったら――
 だったら、私がやるしかないでしょ!
 子供を……幼女の笑顔を私が守る。
 私が……このメグミちゃんが子供を変態達の魔の手から守り、そして――
『おねえちゃん。助けてくれてありがと♪』
 なんて少し、舌っ足らずな感じでお礼を言ってくれる。最高じゃないか。
 そうと決まればすぐに行動を開始しなければ。
 今、この瞬間にも変態の魔の手が幼女に迫っているんだから。
 
 でも、その前に少しだけ準備をしなければならない。
 私が幼女を助ける。その事に問題は無い。しかし、素顔のままで助けるわけにはいかないわよね。
 正体が分からないヒーローに助けられる。そんな漫画のような展開が必要なんじゃないだろうか。
 だが、私には特別な力なんて無い。それに戦隊モノ的な全身スーツは可愛げが無い。
 だったらどうする? 可愛い格好で変態共を倒せる。そんな素敵な方法はないだろうか。
 いや……何深く考えているのよ。相手はただの変態でしょ。そんなのは力任せに撲殺すればいいのよ。
 変態なんだから、きっと撲殺されるのは本望でしょ。ご褒美的扱いでしょ。
 うん。そっちの問題は解決したわね。じゃぁ、次は――

『マジカル―――――――――』
 偶然テレビから流れた魔法少女のアニメ。
 これを見た瞬間、私の中で何かが壊れたような気がした。
「こ、これだわ……」
 魔法少女。女の子なら誰もが憧れるヒーロー。
 可愛い服装に常識を無視した魔法。そんな魔法少女に私も昔は憧れていた。
 そんな魔法少女に助けられたら幼女はどう思うだろうか。
 あの憧れの魔法少女が自分を助けてくれた。
『魔法使いのお姉さん大好き!』
 そんな風にならないだろうか。いや、絶対なる。
 よし私は今から魔法少女……は、年齢的に少しキツイものがあるかもしれないから、マジカルお姉さんって
所でいいでしょう。
 勿論、魔法なんて使えない。でも大丈夫。それっぽい恰好をして、叫びながら変態を撲殺すればバレないでしょ。
 うん、うん。色々と設定も決まった事だし、フリフリの魔法少女っぽい恰好をして幼女を狙う変態を探し
ましょうかね。
 
 
 悪質な変態を探して一時間ぐらい経ったかしら。
 その光景が視界に入ったのは――

「お、おじょうちゃん。お、お、おじさんと向こうで話しをしないかい?」
 いた。気持ち悪い変態がいた。
 しかも、早速幼女に話しかけてるし。
 それにしてもあの変態。ただ話すだけで、どんだけどもってるのよ。
 あれは、明らかにあまり人と話しをしていない人間だわね。
「い、いい、いいから向こうに行こうよ」
「や、止めてっ!」
 あの変態! 相手にされないからって実力行使に出やがったわね。
 すぐに幼女を助けないと!
「はぁ……はぁ……ようじょ……」
「ちょーと、待った――っ!」
「な、なんだ!?」
「そこの変態! その可愛らしい幼女の手を放しなさい!」
 颯爽と登場する私。やば……ちょっと感動しそう。
「だ、誰なんだよ。お、お前は……」
「変態に名乗るような名前は無いわお。てか、あんたに名乗ったら私の名前が穢れちゃうじゃない」
 私だって、親にもらった名前は大切にしたいもんね。
「な―――――――っ!?」 
「幼女を大切に出来ない変態には死を」
「な、なな、な」
「行くわよ! マジカル☆撲殺♪」
 懐に忍ばせてあった、棒を取り出し変態をタコ殴りにする。
「や、やめ……あ、ちょっ、気持ちい――」
「…………」
 これぐらいでもう止めましょう。これ以上は不毛だわ。
 私の後ろで見ている幼女の教育的にもよくないし、この変態が段々と感じだしたし止めるべきよね。
 私は変態が喜ぶような事はしない主義だから。

 変態を無視して私は幼女に振り向く。
 そして最高の笑顔で幼女に笑いかけるんだ。
「大丈夫だった? 悪い変態はお姉さんがやっつけたからね♪」
 これで充分。これだけすれば、きっとこの幼女は――
「お姉ちゃん。助けてくれてありがと♪」
 き、きき、キタ――――――っ!
 ああ。最高だわ♪ 舌っ足らずの言葉に可愛らしい笑顔。
 もうこれだけで、ご飯三杯はいけるわね。
 しかし、残念な事に私は魔法少女。あまり人前に長居するわけにはいかない。
「ごめんね。お姉ちゃんもう行かないと」
「えー」
「大丈夫。君がピンチの時は絶対に助けに来るから」
「お姉ちゃん……」
 な、なんて物悲しそうな瞳をするの。そんな顔をされたら私は――

 だ、ダメよ。落ち着きなさい。ここで颯爽と帰る事で、この幼女の心に私という存在が強く残るんだから。
 だから今は帰るのよメグミ。

 幼女を背に私は颯爽と消える。
 まだまだ私の活動は始まったばかりだ。
 相変わらず変態共は湧いてくるだろう。私はその変態共を始末していく。
 可愛い幼女のために。彼女達の笑顔のために。
 そして、最終的には助けた幼女達を囲って最高のハーレム空間を作るのよ。
 頑張れ私。まだまだ助けないといけない子供達がいるはずだから。

       

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