Neetel Inside ニートノベル
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飛び降りた
マスターカード

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宝くじは毎年恒例行事のように購入していて、
それは別に当たって欲しいってよりも惰性みたいな感じになっていて、
だから本当に当たるとは思わなくて、
いや別に今までも30万円とか当たった事はあったから、
当たるとは思わなかったってのは正しくないかもしれないけど、
1等しかも前後全部が当たるとは思っていなくて、
幸いにも俺は一人暮らしで、
普通の会社員で、
一気にそんな大金が舞い込んでくるってのは有難い限りで、
特に誰にも言わずに大人しく老後の貯蓄なんて考えていたのに、
どこから漏れるのか本当に教えてもらいたいくらいだが、
周り中にばれて、
親や同僚や友人に親戚までもが態度を変えて接してきて、
すげぇウザイから会社も辞めて、
憧れだったアメリカに移り住んで、
ワーキングホリデーってことでカフェでバイトしてたけど、
流石に一生ワーキングホリデーってわけにもいかないだろってことで、
日本人って若く見えるみたいだから禿げてもメタボってもいなかった俺は
学生として日本人のほとんど居ない語学スクールに入って、
日常会話は単語さえわかればある程度出来ていたから
ビジネス会話が出来るくらいまでと思って学んで、
その後学校で仲良くなった先生に紹介してもらった会社に勤めて、
そこで適当に働きながら休日は行ってみたかった世界の観光地を周って、
それをブログに上げていたら、
本になって出版されることになって、
って夢を見た。


と思っていたら、宝くじは本当に当たっていて、見た事もない数字が通帳に
並んでいて、少し途方にくれた。
この通帳に並んでいるのは宝くじの金プラス本の印税だ。
本もバカみたいに売れて、一気に金がまた入ってきた。
本なんか出したもんだからまた住んでいる場所とかブログがバレて、
日本から連絡が来た。
あいつらの金に対する執着心何なんだよと思っていたけど、
俺も学生の頃フェラーリやランボ持ってる奴に乗せて欲しくてくっついていたわ
と反省した。
でもアメリカでは俺程度の金持ちなんて腐るほど居るみたいで、
特に何の害も無かったから、久しぶりに見る日本語の懐かしさよりも先に
小せぇなこいつらと思った。
余興にsuck my dickとか書いて送り返してやった。
そしたら本当に二人が女連れて尋ねてきて、ドン引きして追い返した。
その文句をブログに書いたら炎上した。

       

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