Neetel Inside ニートノベル
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V字のマズルフラッシュの向こう側で血煙が見えた。
拳銃がまた薬莢を噛んでしまっている、手入れをしたばかりなのに。
居間に向かって歩きながらスライドをひき、ゆがんだ薬莢を弾き飛ばすと
僕は拳銃を机の上に置いた。
古ぼけてはいるが、銃自体に問題は無い。あるとすればやはり弾薬の方だろう。
ひどく億劫な気分になりながら、家の管理パネルを手元に呼び出しセキュリティレベルを通常モードに引き戻す。
大げさな変化はない。監視カメラからの映像を映していたテレビの画面が、映画の再生一時停止画面へと切り替わっただけだ。
「ケイティ、もういい」
呼びかけると台所の向こうで影が動いた。
ケイティは・・・どうして彼女が僕の家に住んでいるのか知らない。
ただ殺さなくてもいいことだけは知っている。
僕の家のことを、僕に説明してくれたのはケイティだから。

近くにきた彼女からレモネードを受け取ると、一口飲んでコップを銃の隣に置いた。
「また出かけるよ」
ソファ横から取り出したオートマチックライフルの機関内部をチェックし終え、腕をのばすと、いつものようにケイティが“外出用”ベストを袖に通してくれた。
ベストにはナイフ、マガジン用の弾帯が2つ、パウチが3つ、ベルクロで固定してある。
「施錠はいつもどおり、夕飯には帰るから」
無言でうなずくケイティをあとにして居間を出ると、ダミーの冷蔵庫前で侵入者が血だまりの中に倒れていた。
掃除が面倒だが、彼が入ってくる前の監視カメラ映像と、浮浪者然とした風体を見るかぎり独り者と見える。もし友人がいたとしてもここにやってくることはないだろう。
僕はそいつの後ろ襟首をつかむと、引きずって玄関を出た。

男をいつもの下水に放り込んで街の中心部へと足を向けた。
僕とケイティの住む北部は快適だし、お店もたくさんあるけれど品揃えが悪い。
最近は特に。
反面、中心部は人も多いが店も多く、品揃えも充実しているはずだ。
新しい掃除道具を手に入れよう、僕とケイティの下着に、もちろんできれば弾薬も。
僕は肩に下げた銃のスリングベルトをかけ直すと、焼けたアスファルトの上を歩き続けた。

       

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