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【鍛冶屋】勝利まであと:3100G 作成した武器:妖剣ノイニモッド


 酒場にて祝杯をあげるグレンと、グレン率いる革命軍。
 和気藹々としたムードの中、勝利は確定的な物だといわんばかりに皆に笑顔が溢れていた。
 しかし、有志の中にはグレンのやり方に異論を唱える者もいた。20そこそこの青年が、思いつめた表情でグレンの前に立つ。
「グレンさん、僕は……僕はあなたのやり方は間違っていると思う」
 グレンの取り巻きは青年をじろりと睨んだが、グレンはあくまで笑顔で優しく尋ねる。
「どうしてそう思う?」
「あなたは僕達に無血革命を約束した。だけど、魔王を利用して玉座に魔物を召喚するのは、矛盾していないか? もしかしたら、敵の兵士が死ぬかもしれないじゃないか……」
 グレンは頷き、答える。
「ああ、君の言う通りだ。だがね、元々魔王との契約をしたのは王だよ。そしてその死ぬかもしれない兵士も、王の為に死ぬ覚悟でその仕事についた。私はそれを利用させてもらっただけに過ぎない。火種を作ったのは王で、私はただそこに空気を送った。違うかな?」
 青年は押し黙る。かろうじて、「だ、だけど……」と言ったが、その先は言葉にならない。
「私達鍛冶屋はね、自分で作った剣で刺し殺されても構わないという覚悟で鉄を打つんだよ。まあ、これは師匠の受け売りだがね」
 グレンはそう言って、子供のように無邪気な笑顔を浮かべた。
 それから少しして、広場での魔物による虐殺を知らせる第一報が届いた。


・赤のレベル3タイルを採取、-300G

       

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