Neetel Inside ニートノベル
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【勇者】武器レベル3 所持金:2200G


 ゴルドーの案内で破滅の井戸にやってきた少年は、指示通りに、2000Gの大金を井戸に落とした。大量の金が落ちたというのに、水の跳ねる音も金貨の鳴る音も全くしない。やはり、ただの井戸では無いようだ。
 その後、ロープをくくりつけた水桶をゆっくりと下ろし、伸びきった所で今度は引き上げた。驚く程何の重量も無かったが、戻ってきた水桶の中は、透明の液体で満たされていた。
「言い伝えによるとだな、この井戸の中にはある魔物が住んでいるらしい。そいつは落ちてきた物を喰うが、別に餌にする訳じゃねえ。落ちてきた物によって何が起こるかは変わるんだ。例えば結晶石は魔界にいる魔王の下に飛ばす。そして金は、魔物を癒す薬に変化させるって訳だ」
 少年は水を覗いた。底がはっきりと見える程、美しく透き通っている。
「まあ、お前さんの相棒はすっかり野生を失っちまってるから、その水が効くかどうかは分からねえ。だが、やってみる価値はあるだろ」
 ファンクルに薬を飲ませた後、少年はグレンから馬を借りて旅立った。ファンクルが戻ってくると信じているからこそ、魔王を退治しに行かねばならなかった。


・-2000G、東に移動

       

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Neetsha