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【鍛冶屋】勝利まであと:1400G 作成した武器:妖剣ノイニモッド


 東西南北各街の代表者が首都に集まり、王の演説の後会議を開いた。グレンは議長席に座っているが、傍観の姿勢をとっており、発言は全く無い。
「王は正しい事をした。現に私の街は、王によって救われた」
 と言ったのは南の街の領主。確かに、王が魔王との契約をしなければ、グリルテンの猛攻撃によって、南の街は壊滅的な被害を受けていた。それに異論を唱えたのは、西の街の代表。
「ふざけるな! 今、西の街の領主である私の父は、あの訳の分からない化け物に監禁され、住民は病に伏せているのだぞ!」
 西の街代表は、領主の息子。偶然、資源の探索に出かけていた為、ウーズの被害を受けずに済み、この席に出席している。
 それに反論するのはやはり南の街の領主。
「資源はどうする? 資源は全て王が魔王と契約した事によってもたらされた物だ。この恩恵によって、沢山の人が救われるはずだ」
「そもそも王が圧政を強いらなければ、我々はもっと楽に暮らせていたんだ。自業自得。やはりこの国の代表は、グレン様が相応しい」
「いや、王だ。王こそがこの国だ」
 南の街と西の街の意見ははっきりと分かれていた。前者は王による統治継続を支持し、後者はグレンによる革命を支持している。沈黙を持って見守るのは二人。北の街の領主と、東の街の領主エルーシャ。
「北はどう思うのだ?」
 北の街の領主は、齢80を越えた老人だった。目を瞑り、その表情は険しく、沈黙したまま微動だにしない。
「その前に、もう1つの可能性を提案したい」
 と言って立ち上がったのはエルーシャ。全員が注目する。
「……この国で唯一、自らを犠牲にして戦っている者がいます」



・灰のレベル4タイルを採取、-400G

       

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