Neetel Inside ニートノベル
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【勇者】武器:レベル1 所持金:400G

 少年は帝都を出発する前にグレンを尋ねたが、あいにく留守のようで、使用人から日を改めて再度きてもらえるように言われた。
 今の所、東西南北どちらからも魔物の気配はしているが、南と北にいる魔物はウーズよりも遥かに強そうだと思った勇者は、仕方なく東に進路をとろうとした。
 帝都の門をくぐろうかという時、少年の背後に声がかかった。
「待ってくれ!」
 そこにいたのは、汗だくになりながら走るグレンの姿だった。普段の冷静で抜け目の無い大人というよりは、無邪気で屈託の無い子供のような表情をしている。
「これを買ってくれないか」
 グレンは今出来たばかりの剣を差し出す。それは眩いばかりに光る、細身の剣だった。見るのさえ辛いくらいで、思わず少年は目を細めた。すると、微かではあるが剣から音がした。
 それはまるで雲の中でとどろく雷鳴のような音だった。少年はグレンから剣を受け取り、代金を払った。そして、進路を南に変更した。

・飛剣ライトリーハートを購入、-300G
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