Neetel Inside ニートノベル
表紙

見開き   最大化      

【王様】結晶石タイル20枚、勝利まであと10ターン

 王に対する不満はあれど、見た目上は平和だったこの国に、突如として魔物が出没し始めた。それと同時に、人々にとって有益な資源が、まるで降って湧いたように現れた。
 災厄と恩恵。
 今、この国は改変期に突入している。民達の中にはそこに希望を見出す者もいたし、ただ混乱の中で不安に苛まれている者もいる。様々な思惑が交差しながら、世界はその形を変えていく。
 王宮の前の広場に、何百人もの人々が集結していた。武器は持っていないので、警備兵達はあくまでも傍観の姿勢を維持していたが、民達の眼には怒りの感情が溢れていた。騒ぐでもなく、叫ぶでもなく、ただただ無言の主張はこうである。
『お前のせいで沢山の人が死んでいる』
 やがて王が民衆の前に姿を現す。堂々とした立ち振る舞いで、表情には微笑さえ見てとれる。その態度を見た民達は、一気に怒りを爆発させた。
 響き渡る怒号の嵐。身を乗り出す者を力で押さえつける兵達。それらを王が一喝した。
「静まれい!」
 腐っても一国の主。その威厳ある声に、広場は静まり返る。
「皆の者に告白せねばならん事がある」
 と、王は切り出す。表情は淡々と、口調はしっかりと、態度は強気である。
「数日前より、帝都付近及び各街々の付近に、森、湖、鉱山、氾濫原などの、資源が現れている事は皆知っているだろう。中には、神の救いだ、大災害の前ぶれだなどと言う者もいるが、間違いである。
 これは私が行っている『政治』だ。民達に対する私の思いが成した奇跡の所業である」
 しばしの沈黙の後、一斉に民が騒ぎ出した。「嘘をつくな!」「今さら出てきて何を言ってる!」「苦し紛れの言い訳だ!」王は高らかに宣言する。
「よろしい。ならば次に資源が現れる場所を予言してみせよう」


・赤のレベル3、青のレベル5タイルを設置

       

表紙
Tweet

Neetsha