Neetel Inside ニートノベル
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【鍛冶屋】勝利まであと:5500G 作成した武器:なし

 王の予言は見事に的中した。
 これを受けて、グレンは魔物と資源の関係性について確信を持つに至った。
 王は会見の中で魔物との関与を否定したが、おそらくそれは嘘と見て間違いない。魔物を召喚するのに必要な結晶石。それが資源と共にこの世に出現しているのだ。資源の出所が王であるというのなら、結晶石の出所も王でなくてはならない。
 グレンは気づく。
 もしや、『破滅の井戸』にほぼ毎日自分が投げ込んでいる結晶石が、何者かの手によって魔物と化しているのではないか。
 その『何者か』が王様である可能性は低いだろう。自ら国益を損ねるような真似はいくら何でもしないだろうし、魔物によって人が殺されれば、その不満は魔物討伐を怠った王に向けられる。それにそもそも、王には魔術の能力はない。誰かに依頼するにしてもリスクが大きすぎる。
 では、一体誰が魔物を召喚し、人々を襲っているのか。
 その答えは出ないが、今はとにかくあの少年に魔物を退治してもらう他無い。一応、東西南北の各街で自警団を結成するように指示はしてあるが、果たして魔物に対してどこまで抵抗できるかは疑問だ。
 王が資源と共に魔物の元である結晶石をバラまいているのはほぼ確定的だが、この事を告発するのは不可能に思える。何せ証拠が無い。いくら自分に立場があるとはいえ、確実な証拠が無ければ、王に潰されて終わりだ。
 グレンはこの時、告発をしない理由のもう1つにあえて目を瞑った。
 自分は魔物召喚の片棒をかついでいる。破滅の井戸の仕組みを理解してもなお、採取した結晶石を井戸に投げ入れている。


・青のレベルタイルを採取、-500G

       

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