Neetel Inside ニートノベル
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【魔王】支配モンスター:ウーズ(黒1)×2
    所持モンスター:ゴブリン(青2) ゴブリン(灰2)

 草木も眠った頃、巨体をうねらせるウーズが西の街と東の街に到着した。
 ウーズ達はネイファの指示通りに、まずは手近な井戸に分裂した半身を投じた。そこから水脈を辿り、街中の井戸を支配下に置いた。ウーズを含んだ水を人が飲むと、死には至らないものの衰弱し、まともに動く事が出来なくなる。しかも、薄められたウーズはほとんど無味無臭で、人々が井戸が原因だと気づく頃にはもう遅い。
 ウーズのもう半身は、街で一番大きな屋敷を探す。その街で最も権力がある者を人質にとって、支配力を強める。
 いくら大きく膨らんでも、ウーズの動きはのろまで、攻撃力はほとんど無い。しかし分裂と巨大化によって、増殖は無限に続く。剣で切りかかろうと、炎で焼こうとも、『核』を破壊されない限り、ウーズは増え続ける。
 『核』。それがウーズの弱点だった。
 街を出てすぐに少年に見つかったウーズはまだ小さく、やたらめったらに斬ればいつかは核も破壊される。しかし今のウーズは違う。街の大通りを進むウーズは、その周りに立っている家よりもでかい。
 東西の街がネイファの手に落ちた。あと1つ、南か北の街を手中に収めれば、この世界はただの魔界の延長となるだろう。大規模な破壊のあと、人間には絶望しか残されない。暗く閉ざされ、どこまでも濁った世界。
 やがてネイファは魔王として認められる。
 大魔王ネイタスの後を継ぐ、正式な魔王として魔界に迎え入れられる。ネイファはその時を夢見て、今日も隠れ潜む。


・ウーズ2体、魔王を移動

       

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