Neetel Inside ニートノベル
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【魔王】支配モンスター:ウーズ(黒1)×3 所持モンスター:ウーズ(青1)×1

 大魔王ネイタスは地の底で果てた。一粒種の娘、ネイファを遺したが、魔界は彼女を新しい魔王だとは認めなかった。ネイタスの影響力が消えた事により、魔界にわずかなりとも存在した秩序も、今では灰燼と帰し、ネイファは幽閉される羽目になった。
 しかしながら、大魔王ネイタスが以前サンパドレイグ一世と交わした契約は、その血を介してネイファへと繋がっていた。
 契約の内容は以下の通り。
「大魔王ネイタスは、サンパドレイグ王に対し『結晶石を生み出す能力』を授ける。結晶石は、その地に恵みをもたらし、王の願いは叶えられるだろう。ただしその代償として、帝都に『門』を開く。それは魔王の正統な血族のみが通れる、現世と魔界を繋ぐ門である。この契約は、どちらかの血が途絶えるまで消える事はない」
 ネイファが魔界から姿を消したのは、王が契約の封印を解いたその瞬間だった。
 
 解き放たれたネイファは、まずは部下を必要とした。しかし復活したてのネイファの魔力には限界があり、ウーズ3体が召喚の限度だった。
 ウーズとは、魔力を持った軟体生物の通称で、最初はウサギ程の大きさで、どろどろのへどろのような見た目をしているが、植物のある地上に解き放って1週間もすれば、余裕で象くらいの大きさを飲み込む巨大な怪物に進化する。魔界では最底辺に位置する生物ではあるが、育ちきったウーズならば街の1つくらいは軽く占拠できる。
 ネイファは部下を使って、地上を支配する事に決めた。サンパドレイグには、東西南北に4つの大きな街がある。そのうち3つを魔物と自分で支配する事に成功すれば、魔界の者達もネイファを魔王と認め、命令に従うはずだ。
 いかに効率良く街を支配できるか、魔物の配置を決めかねていると、ネイファの頭上から小さな石が落ちてきた。見れば、それは魔力の源となる『結晶石』だった。色は青く、既に魔力を使い果たし、輝きを失っている。
 ネイファは、代々魔王の家系に受け継がれている特殊能力を持っていた。空になった結晶石を媒体にし、魔界からそれに応じた魔物を召喚できる能力。
 まずは黒ウーズを北、西、南の街に向かわせ、ネイファもその内の1匹と共に北に向かった。そしていつでも青ウーズを帝都に召喚できるように、結晶石を懐に忍ばせた。
 ネイファは地上侵略作戦の第一歩を確かに踏み出した。


・ウーズ3体を設置(強制)
・ウーズ3体、魔王を移動

       

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