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花びら+ロボット三原則+粉末/対バイオロン法第六条/田中田



「おいとらねこたいしょう、とらねこたいしょうはいるか。はなしがある」
「なんだい10匹もそろいもそろってあらたまって。なんの用だ」
「ぼくたちはきみにリコールを請求しにきた。きみがリーダーでいたあいだ、あほうどりに働かされたり、ふくろのなかに閉じ込められたりでまったくろくなことがない。だからきみにたいしょうの座をおりてもらいたいんだ」
「なにをいってるんだいおまえたち」
 とらねこたいしょうはニヤリとわらった。
「おまえたち、まだ5つか6つの子猫だろう。選挙権なんかあるものか」
 これを聞いて10匹のねこたちはおおあわて。にゃごにゃごにゃご。まさかリコールをするのに選挙権が必要だとはおもってもみなかったのです。 かといって、このままだまりこんでしまうのもなんだかしゃくです。
「そんなこといったら、とらねこたいしょうだって似たようものじゃないか」
 そう言い返されてもとらねこたいしょうはやっぱり笑うだけでした。
「ははは、わたしか。わたしはいいんだ。なんたって、わたしはとらねこたいしょうだからな。ところであのとき*につんだ花のことを覚えているかね。じつはあれはケシの花でね、アヘンの粉をぶたどもに売ってずいぶんとかせがせてもらったよ。だからおまえたちはもう用済みなんだ。きえてもらおうか」



「そうはさせん!」



 虎猫大将がいよいよ悪としての本性をあらわしたその時、事務所の壁がガラガラと崩れ落ち、その向こうにはあの機動刑事ジバンが立っていた。
「対バイオロン法第1条」
 ジバンは驚く猫たちなどは意に介さず、ただ悠然と足を一歩踏み出した。
「機動刑事ジバンは、いかなる場合でも令状なしに犯人を逮捕することができる」
 逃げまどう猫たち。いつのまにやら室内に残るのはジバンと、デスクの前に腰掛ける虎猫大将だけとなっていた。
「第2条。機動刑事ジバンは、相手がバイオロンと認めた場合、自らの判断で犯人を処罰することができる。第2条補足!」
 虎猫大将は立ち上がった。
「場合によっては、抹殺することも許される」
 ジバンがその手に持つ銃、マクシミリアンが火をふいた。発射されたビームは正確に虎猫大将の心臓を貫く。
「ド、ドクター・ギバよ……お許しをーっ!」
 悪は倒れた。
 この世に悪の栄えたためしはないのだ。





※あのとき……名作絵本『11ぴきのねこふくろのなか』での出来事
 



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Neetsha