Neetel Inside ニートノベル
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わが地獄(仮)
カミシア

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「逃げよう!」
 俺が言うとカミシアは嫌がった。なぜなら俺たちが逃げればみんな死んでしまうからだ。
 だが、もう続行は出来ない。
 逃げた方がいい。
 だから俺はカミシアを連れて逃げた。戦闘能力においてきわめて優秀、最強と呼ばれた人型戦闘兵器を連れだして逃げた。
 多くの人が死んだ。
 俺はそれでよかった。
 カミシアと世界の果てで静かに暮らすことの方がずっとずっと大事だった。誰が死のうと構わなかった。俺が死んでも構わなかった。闘い続けたカミシアだけが救われて、あとのボンクラどもは野垂れて死ぬ。それでよかった。それが願いだった。
 誰かに戦わせるというのは、それだけ代償を払う必要があることなのだ。
 だから俺は後悔はない。今ここでカミシアに恨まれて殺されても何の悔いもない。幸せで、安らかだ。俺は闘いたくなかった。
 カミシアは、どうだったんだろう?


       

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