Neetel Inside ニートノベル
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わが地獄(仮)

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 ふと手を見ると千切れた誰かの手を掴んでいた。断面から筋繊維が垂れ下がっている。だからなんだというのだろう? それが誰のものだろうと、それが衝撃を受けるべき条件であろうと、それがおれにどんな関係があるっていうんだ? おれは千切れた誰かの腕を掴んでいて、当然ながら重力もそれを掴んで引っ張っている。おれはいま地球と一本の腕を分け合っているんだ。素晴らしいことなんじゃないか? 手と手を取り合ってピクニックだ。どこまでも歩いて行って、どこまでも血雫が垂れていけばいい。その赤い点々から、もしかしたら滋養が広がって新しい命になるかもしれない。それはおれと重力がつくる奇跡なんだ。なにも悪いことばっかりじゃない。この世界には花が咲くかもしれない可能性があって、それはいまおれの掴んだものから滴る液体から生まれたっていいのだ。怖がることはない。たくさん歩いて、たくさん死ねばいい。それがおれの望みだ。永遠の。


       

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Neetsha