Neetel Inside ニートノベル
表紙

わが地獄(仮)
風通しの悪い世界

見開き   最大化      


 来年のエネルギー管理士は熱分野ではなく電気で受けることにした。
 俺はもともと熱の方が好きである。空調分野と熱源分野にかかわることが実務で多かった。
 七年前から考えている小説も、実は熱が関係している。今までちらっと何人かにネタの草案を話したが「?」となっていた。黄金の黒のブラックボクシングの部分だけ話されたらわけわかんねぇのと同じだと思う。もっともブラックボクシングほど煮詰めきれていないんだけども。
 だから、自分の小説のネタにもしたいし、エネルギー管理士は熱で取りたかった。黄金の黒でいえば脳科学のなんか試験があって、それを取得して精神的なハクをつけたいってところだった。
 でも、この業界にいると、どうしても熱では食えない。一にも二にも電気実務者が足りない。なぜなら電気は熱みたいに媒体を介して実体を得るものじゃない。電圧がかかった金属部は触れたら心臓が焼けて死ぬが、見た目ではまったくそれがわからない。変な音もしないし臭いもしない。だからうっかり触って死ぬやつが毎年出る。電気は危険なものである。
 やりたいことより、やった方が得なことをしていないと、生きて行くのがしんどい。それがこの十年でわかった。だからエネ管も熱じゃなく電気にして、ひたすら電気の勉強に当てた方がいいと思って参考書をポチった。今度届く。
 とはいえ、人間が作ったくそくらえな法律じゃなく、電気という人間が制御できないものと戦うのはやりがいがある。難易度が青天井のゲームをやっている感じ。数学だって微分積分とかを使うらしい。俺はド文系である。文系が文系らしく生きられないこの世界はクソである。
 やるとはいったが、電気はやっぱり好きじゃない。深みはあるけど、まだイメージが頭の中に湧かない。トランスの容量と実負荷の関係とか。そういうのわかんない。たくさん勉強するしかない。
 ただまあ電験界隈は40代から取得しても実用性がある資格である。俺はまだ三十代前半だから、取得すれば若手のほう。それにしてもシマウマから15年も経った。世の中はおかしい。
 リングフィットは少し休んだ。ボスを一人倒すだけで6分くらいでやめた。少し身体が重い。というか腰が痛い。筋肉が成長しているのか。とりあえずタンパク質を食べている。
 あすけんお姉さんをプレミアムにした。もう月400円くらい払ってもいいくらいお世話になっている。細かく昼食あたりのバランスを見て、夕食を決める動きがいい。
 腰に関しては太りすぎて妊婦腹なので、おそらく反り腰になっている。純粋に脂肪の重みに腰が負けている。筋肉からつけるべきかと思ったが、やはり食事制限してダイエットしたほうがよさそう。
 俺は酒もタバコもやらないから、健康な生活をしていけばすぐに馴染むと思う。今日は15000歩歩いた。最寄り駅から歩いて帰ってみた。バスを待つストレスがないし、そもそも帰宅途中にバスに追い抜かれてないから俺のほうが早いのかもしれない。一日に800kcal近く消費している。来年の三月くらいを目標に痩せたいと思う。
 阿佐田哲也が酒飲まないやつはギャンブルにのめりこみやすいといっていた。俺はギャンブルもしない。麻雀ももうやってない。のんびりしたもんだ。それよりもフィットネスだ。世界はからだづくり伝説が支配した。北斗フィット楽しみ。
 dアニメストアも登録こそしたがあまり見ていない。スマホにダウンロードして電車とかで見るのがよさそうではある。スクライドとかまた見てみたい。
 北斗フィットが成功したら、スクライドフィットを作ってほしい。衝撃のファーストブリットをしたがる俺たちの世代はちょうどデブり始めている頃なのでメインターゲットにばっちり当たっている。モモアゲはクーガー兄貴に教えてほしい。速さが足りないって言われてモモアゲしないやついる?
 スクライドはとてもおもしろかったけど後継者なく絶滅した。だからフィットゲームで復活してくれたりしたらいい。クラウドファウンディングしてくれれば俺は30万までは出す。本当にほしいものには銭を出すべきだ。銭こそすべてだ。夢も健康も金で買える。だから電気実務者になってもっと稼ぎたいところ。
 俺はもう職場を何度も変えているけども、転職はそんなにしていない。現場仕事だと現場が変われば人間関係もリセットされるから俺には居心地がいい。こいつの顔を人事異動まで見続けなきゃいけないのかというストレスはあんまりない。同じ現場に糞がいるとそれはそれでストレスだが。
 まァでも、結果よりも、ただ無駄にはならないことをほそぼそとやっている。俺はいま電気の勉強を自分のメモ帳に蓄えているけれども、落ちたらどうしようとかは考えていない。落ちたらそんときだ。絶対に合格してステップアップしなきゃ!とか考えたら勉強は辛くなる。興味があるから調べてみる、という動きが多ければ多いほど学習効率は上がる。それを無理にやって嫌な気持ちになると、折れたらやめてしまう。料理やフィットネスと一緒。義務感は何も生み出さない。
 アイドルにも興味がなくなった。もともと、俺は誰かが頑張っているのを見てワクワクしたりしない。福本伸行の黒沢がサッカーを見てて「話は合わせるし盛り上がりもする、でも何かが違う。あれはべつに俺の勝負じゃない」といっていて、ストンと納得した。そうなのだ。他人が頑張っていようがクソほどどうでもいい。問題は自分がやるかやらないかなのだ。自分が自分で遊ぶのがゲームなのだ。でなければ満足感は得られない。
 こういう考えが俺の地だから、もちろん大量の反発を食らう。気を使って隠してても漏れ出るから大量の反発を食らう。釈迦の言う通り「もう言いたいなら言わせとけよ、もう馬鹿と付き合うくらいなら一人でいたほうがマシだろ」というのも実感のこもった考え方である。人間は人間と生きていくにはちと性能が悪すぎる。
 人と話したり、わかり合おうとしたり、もうやめようと思う。疲れるだけだ。それより自分の信念に従って動いている方がいい。人間はめんどい。
 エネルギー管理士は過去問だけ買った。参考書はあんまり増やしたくない。俺は試験はひたすら過去問演習しかないと思っている。参考書はわかったような気になるだけ。とにかく過去問、何も見ずに過去問なのだ。何度も何度もやって問題文を書けるようになるまでやるといい。かなり慣れてくると出題者の心理もなんとなく分かるようになる。この問題で落としたいのね、とか。
 楽しみにしていたポーションパーミットが延期したので落ち込んでいる。錬金術で街のみんなと暮らしていくスタデューバレーの錬金術版みたいなやつ。MODは楽しいから英語を勉強したいと感じる。英検2級とか受けてみたい。
 積んでるライザのアトリエをやってもいいんだけど、アトリエは商売してるという感じがあまりしない。街の人のお願いに応える、という形で金銭授受にしているのはよいとは思うんだけども。ポーションクラフトはまだアーリーアクセスだが、相手に値上げ交渉してうまくいくと嬉しい。値上げはいいものだ。しかける側なら。
 ポーションクラフトの錬金システムに、世界観はポーションパーミット、シナリオはトライアングルストラテジーの人でHD2DでSwitch販売。これが俺の求める理想のスローライフ錬金術ゲーだ。ポーションクラフトのねるねるねるねマップ式調合はマジで謎に楽しいので埋もれさせておくのはもったいない。いいものは拡散すべきだ。ドラクエ的中世世界観のように、オープンソースになるべきだ。
 音楽の世界で、サブスクのせいで食えなくなった!という意見を見かけた。そうだろうなと思う。みんな安く才能を買い叩くのに慣れた。俺だって音楽サブスクがなかったらまず音楽なんて聞いてない。定額で聞ける範囲で無限に聞けるから聞く。そういうもん。だからもうクリエイティブなことでお金を稼ぐのは無理なのだ。医者みたいに親が金持ちなやつだけがやる職業になる。それでいい。
 またアマゾンでいろいろ買いすぎた。また稼がないといけない。上層部からの印象が最悪すぎて今の会社では正社員になれないのが確定したので、気楽なような、金がやっぱり足りなくて息が詰まるような。まあ、実家なので俺が使いすぎなだけだが。
 どうせ世の中なんて息苦しいだけ。










       

表紙

顎男 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

Tweet

Neetsha