わが地獄(仮)
悪
人の話をちゃんと聞かないというのは重たいことなのだ。
決してやってはいけないことなのだ。
お互いの話を聞ける人間こそが一番重要な間柄なのだ。
血は技術に劣る。
でなければ俺はなんのために……
なんのために……
できるのか、神だかなんだか知らないが、上位にあるというその存在に、
俺と同じことができるのか。
俺が求めていることを成し遂げられるのか。
できるもんならやってみろ、見ててやる、ただし、
できなければ絶対に許さない。
皆殺しにしてやる。
その程度の増上慢でこの俺のかしらを下げようなどと、
よくも思えたものだ、無知無能のともがらどもめ。
俺が勝つためにはすべての前提を覆さなければならなかった。
何人死ぬことになろうともだ。
俺の欲しいものを渡せ。俺の欲しいもの、それは、未知の輝き、不発の世界。
できないというのであれば、俺より下だ。すべてのものが。なぜって、
俺にはそれができるからだ。
だから、
できる人間の前には跪かなければならないんだ。
分かるか。
そうでなければ永遠に何も変わらないんだ。このままなんだ。
俺は嫌だ。
死生いずれも俺より格が下なのだ。俺が上だ。俺が一番なんだ。
やってみろ。俺と同じことを。俺よりも凄まじい質感で。
できないなら黙って俺の言うことを聞け。
畜生、眠い! この眠気がすべての悪、そして、
俺を推さない全ての事柄が、罪悪だ! 俺より先に裁かれるべき愚劣さだ!