Neetel Inside 文芸新都
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毒色3号電脳プシューケ
キチガイ砂漠の旅人

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キチガイ砂漠の旅人の話しをしよう。

キチガイ砂漠の旅人、ある日突然旅に出た。
太陽の街、ゴルゴンゾーラに住んでいた彼は、
まだ14歳で、その時はまだ純粋な少年だった。

彼は、キャンディー売りの店子(たなこ、と読む)に恋をした。
ジッド記念公園の広場にある出店の、売れないキャンディー売り場の店子。
しかし彼女はまたとびっきりのかわい子ちゃんで、
その名までキャンディーといった。

飴玉のように丸い輪郭、
シフォンのようにとろける甘い声、
モンブランのように白い肌、
5月の真珠のように白く輝く歯、
とてもとても、可愛い15歳。

ある日少年-彼の名は、仮にエピルと僕は名付けた-は、キャンディーに恋の告白をした。

「僕は君が好きだよ!」

そしたらキャンディーは言った。

「あら、ありがとう。でも私は店子、捕らわれの身なの。私の心が欲しければこの店のキャンディーを全部買って頂戴」

「ぜ、全部かい」

「全部売れなきゃ自由になれないのよ。もし全部買ってくれたら、キャンディーじゃなくて私のあそこをを舐めさせてあげるわ」

「う・・・うん・・・」



家に帰ってエピルはどうやってお金を稼ごうか考えた。
彼の豚の貯金箱には20ユーロしかなかった。
そらそうさ、おととい貯め始めたばかりだもの。
キャンディーを全部買うにはだいたい500ユーロ必要だという。

大事にしていたギターを友人に売った。
お気に入りだったマンガも売ってしまった。
パパからのお小遣いも前借した。
買ってもらったばかりのヴィヴィアン・ウエストウッドのジャケットもこっそり売った。

それでもどうしてもあと100ユーロほど足りなかった。

ある日、エピルはまたキャンディー屋のキャンディーに会いに行った。

「ねぇキャンディー。僕まだダメみたいだ」

「あらあら」

「あと100ユーロほど足りないんだ」

「まぁ、もう400ユーロも貯めたのね」

「うん・・・」

「そんなに私が好きなの・・・いい子ね、よしよし、ちょっと待ってなさい」

・・・彼女は計算機を持って、店中のキャンディーを数えてた。

「大丈夫、おめでとう。今店に残ってるキャンディーは全部で450ユーロ分よ。残りの50ユーロは私が出してあげる」

「ほ、ほんと!?」

「ふふ・・・そんなに嬉しいの?私も嬉しいわ」

エピルは笑った。花のように無言のまま。
涙のように、そっと。

「今夜19:00、教会の鐘が13回鳴ったら店をたたむから、4丁目のアパートの3Fの1号室においでなさい。私の部屋よ」

約束を交わして、バイバイ。

エピルは幸せだった。

「恋とはなんといいものなんだろう!蜂蜜のように眠くなるように甘く、幼年期の思い出のように恥ずかしいものだ!ああ、僕はドキドキしている!」

19:00ぴったりに彼は彼女の部屋の前で待っていた。
彼女は店の片づけがあったから、実際に彼女が帰ってきたのは一時間も経ってからだった。
コツコツという靴音がする度にエピルはまだかまだかと待ちわびた。

とうとう彼女がやってきた。

「あら、ごめんなさい、待たせちゃったわね」

「気にしちゃいないよ」

「さあ、さっそく部屋にお入りなさい」

ドアを開けて中に入った。

+++

「私のアソコを舐めさせてあげる、って約束だったわね」

薄暗い部屋のベッドの上で、キャンディーが言った。

「さあどうぞ・・・たんとお舐めなさい・・・がっかりしないでね・・・」

彼女が白のパニエを脱いで、スコートを脱いで、ソックスを脱いで、
スカートをまくりあげた。



すると・・・なんてこったい!



彼女の股間にはたわわな・・・スティック・キャンディーがくっついていたんだ!!



「君は・・・彼女じゃなくて彼だったのかい!??!」

気が動転して少年は言った。

「愛に性別は関係ないと思うの。私が好きなら、さあ、私のキャンディーを食べて」

エピルは咥えた。
泣きながら、舐めた。

おっと、キャンディー・・・飴を、だぜ。


そのキャンディーは失恋のような、涙みたいなしょっぱい味がした。
最後に、甘い、甘い、砂糖が零れた。

彼は口から砂糖をよだれのように溢しながら、
静まる空気の中、飲みこんだ。




たしかそれからだったよ、

あいつが、彼がゲイに目覚めたのは。





今じゃ新宿2丁目の常連さ。

       

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