Neetel Inside ニートノベル
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見えない明日の三日前
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「ふぅ・・・」

日課のランニングが済んだ俺は公園のベンチに座って水を飲む。

いたって平凡な家に生まれて平凡に育とうとしていた俺は、

5歳のとき世に言う多重人格的脳障害を患った。

そのもうひとつの人格が出てくる原因は、主に二つ。

過度なストレスが溜まること。

もうひとつは・・・

「あんたが築城嵯峨(つきしろ さが)ね?」

後ろから関節技をかけられた俺は首にナイフを突きつけられた。

「・・・だっ・・・たら・・・?」

聞こえないような小さな声で答えた。

すると女は

「簡単よ」

言うが速いか技を解いた。

かと思うとサッと手に持ったナイフを俺の胸に突き立てた。

高校2年生の夏だった・・・。

     


隔離された空間・・・。

周りが壁で覆われている。

「ここは・・・?」

胸の周辺がやけに熱い。

「うわぁっ!!」

胸から血が出ている。

痛みがない。

女が近づいてくる。

俺を刺したあいつだ。

「どういうことだ?」

「脳から痛覚を抜いたわ」

女は平然と続ける。

「貴方は自我を保っている珍しい多重人格者。だから被検体にするの。」

「はあ?!」

「じゃあ覚醒してね」

女は注射器を持ってきて俺の首筋に刺した。

「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

俺は朦朧とする意識の中、女の悲しげな表情を見た。

     


どれくらい経っただろう・・・?

痛覚がないはずの身体が疼く。

脳が端から端まで侵されていく。

痛みがあった方がましだった。

痛みがあればまだ理性の欠片位は残ってたはずなのに・・・。

痛みがない分恐怖が上乗せされる。

もう嫌だ・・・。

俺は苦痛に身を委ねることにした。

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「大丈夫?辛いよね。苦しいよね」

もがき苦しむ嵯峨。

自分がこんなに優しそうな人を苦しめると思うと、

いてもたってもいられなくなる。

私は彼の手を強く握った。

「ごめんね・・・。ごめんね・・・!ごめんね・・・!!」

良心の呵責から逃げるように私はひたすら謝り続けた。

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なぜだか手にほのかな温もりを感じた。

「おい・・・名前、おし・・・え・・・て・・・」

途切れ途切れだったけど、

自分の声は届いた。

なぜだか、そう思えた。

「私は・・・私は廻巡(まわり めぐり)だよ・・・」

自分を刺した女の子の声がひどく美しく聞こえた。

「そっか・・・巡か。絶対に・・・忘れない・・・」

すると急に巡の顔が近づいてきて、

キスをした。

「・・・約束。」

彼女の魅惑的な唇から悲しげな声が聞こえた。

       

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神墓:零 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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